SHORT

□止められない想い…
2ページ/3ページ

リクオ君を探すために体育館裏にと走って向かった。

すると女子の団体を発見すると

「「「好きです!!」」」
何重にも重なった声が聞こえた。
「え!?あ、ごめんなさい!!」

慌てた声で断る声。
紛れもない彼の…。


リクオ君の声だ。

すると女子の団体が消え、リクオ君が見えた。
「あ、カナちゃん」
目が合い、リクオ君が私の名前を呼ぶ。
私はリクオ君のいるとこに行く。

「…見てた?」
「うん。大変だね。」
「あははっ。」
苦笑してたリクオ君に私も苦笑する
「告白、断るの大変でしょ?」
「うん。カナちゃんの気持ちが解ったよ。」

「でしょ?」

お互い告白は日常化していた。
でも、私は好きな人がいるから断るだけ。
リクオ君もそうなのかな?

「ねぇ、リクオ君。」

「ん?」
「…好きな人居るの?」

思いきって言ってみた。
リクオ君は頭を掻き気まずそうに口を開いた。

「…居るよ。ってか、カナちゃんだけには教えてあげるよ」

「え…?だ、誰なの!?」
少し頬が赤いリクオ君。
私だけ教えてくれるの?
幼馴染みだからかな。

「まぁ、好きな人が婚約者何だ。」

婚約者…?
「ええぇ!!?」
驚いた。でもあの家だから居ても当然、かな。
「相手とは今日結婚するんだ。」

結婚…。
何かもう驚けない。
「早いね…。でも何で教えてくれたの?」
不思議に思った。
何故そんな秘密を教えてくれたのか。

「卒業、するから。カナちゃんとはさ、幼馴染みだし。ーーーー正直黙っていること沢山ある。だからさ、少しは秘密教えたいじゃん。カナちゃんに秘密しててもバレちゃうからね」
真剣な眼差しで言った。
苦笑もしてたけど。
何か嬉しいな。
話してくれて。
「そっか。相手は…?」
「ーーーー…氷麗だよ。」
やっぱり。

告白するまえに振られちゃった。
でも、言わないと。

「あのね、リクオ君」
「ん?何?」
「好きだったよ。」
「ーーーーえ?」
やっぱり、勘違いしてる反応。
かなり悩んでるよ。
どっちの意味なのか、って。
言われなくとも分かる。
リクオ君だもん。
「勿論ーーーー、恋愛対象してね。」
少し悪戯っぽく笑った私。リクオ君はポカンとしてる。
「ーーーー、返事は要らないよ。だからさ、此からも友達でいてね。勿論、幼馴染みとしても、だけど。」

好きな人だもん、困らせたく無いんだ。

リクオ君は笑顔になって
「勿論だよ!!気持ちは嬉しかったよ。有難う!」

「あ、それとーーーー。及川さんとお幸せに!!」
「うん。有難うね。カナちゃんも仕事頑張って!!」
「うん、勿論よっ!有難うリクオ君。じゃぁねっ!」
「うん、じゃぁね。」



バイバイ、また、会う日まで。

バイバイ、私の初恋。


バイバイ、私の恋心。


そして、
有難う、最後まで優しい幼馴染みで。
有難う、私の想いを断ち切る事が出来たよ。

有難う、此で前に進める。


お幸せに、及川さん、リクオ君。


さぁ、進もう。
未来(あした)に歩こう。

前を向いて。
涙を我慢しても流れてしまう。
声を殺して、涙を拭って泣いた。

でも、此で良いんだ。
元々振られるのは想定内。知っていたんだ。



何時かでいいから…

貴方の秘密を全て打ち上げて?
私は受け入れるから。

絶対幼馴染みでいるよ。

好きだった人だもん。
何だって信じるよ。



そして、貴方の秘密を私は秘密にするから…。



ーーーー此れからも宜しくね、リクオ君。
本当にありがとう。
お幸せに…。



end

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ