SHORT

□隠した思い
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私は色んな事を考えていたそんな時、声がした。
「カナちゃん?大丈夫?」
「顔色が良く無いわよ?」
とさっきまで考えていた二人の声だった。私は
「大丈夫だよ!」
と作り笑顔をした。これで誤魔化せる、と思った。だけどリクオ君が
「大丈夫なわけ、無いでしょ?何かあった?今にも倒れそうだったよ。無理して作り笑顔なんてしないでよ遠慮とか要らないし、何かあったら言ってね。」
って言った。及川さんが
「確かにね、家長さん無理してるわよ、リクオ様と似てるわよ。無理して物事を貫こう、とするとこ」
と言った。似てる?
私とリクオ君が?
「何で二人には嘘が通じないのよ、でも大丈夫!心配してくれてありがとう!」
今度はちゃんと笑えた。及川さんがリクオ君には私以上に詳しいのは知ってるからもういちいち突っ込みはしなかった。リクオ君は
「心配するのさ当たり前!幼なじみでしょ?」

幼なじみ…か。
「うん!ありがとうリクオ君!及川さんっ」

と私は再度お礼を言った。私はリクオ君が好きだから幼なじみ、と言われて気付いた。
でもリクオ君は私より及川さんの方がお似合いだ。
ねぇ?リクオ君私は貴方が好き。
でも言わないよ。だってリクオ君は及川さんが好きで及川さんもリクオ君が好きとてもお似合い。
だから私のこの気持ちは、
隠す気持ち
だよ?
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