SHORT

□この、思い・・・
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「進路、か」
とつぶやいた。
カナは
「そうだよ、高校行くでしょ?」
と言った。リクオは
「正直迷ってるだよね、家のことだってあるし・・・進学も良いだけど。」
と深刻そうに言った。
この言葉でカナと優未は何て居て良いか解らなくなった。
リクオは
「二人が困らないでよ、(妖怪任侠を貫きたい)」
と言った時
「リクオ様っ♪」
と明るい声が飛んで来た。リクオは
「つらら!」
と言い、カナと優未は声をそろえて
『及川さん!?』
と驚きの声を上げた。
つららは
「終わりましたか?」
と言う。その時リクオが
「ああ、終わった」
とさっきとは違う雰囲気を発生させた。
優未は
「(さっきとは全く違う・・・なんか無理をして無いって感じ・・・。私が全く知らない奴良君だ。)」
と心が痛く悲しんだ。
つららは二人に気が付いたのかそちらに視線を向けて
「あら、家長さん、星野さん」
とそこに居たの?
と言うような目で見られた。カナは
「(居たわよ!)」
と言いたくなるほどイラついた。優未は
「及川さん・・・」
と悲しく呟く。リクオは
「あ、つらら今日あいつらの所寄るから」
と申し訳無い、と言うように言った。
カナ達は全く知らないがつららは
「リクオ様ぁ〜?行くのは私も行きますが・・・ここでその話はどうかと・・・」
と困ったようにカナ達も見た。リクオは
しまった・・・
と思った
「じゃあね!カナちゃん星野さん!」
と言ってその場から逃げるように立ち去ったリクオ。
その時カナが呟いた
「やっぱ、失恋、だよな」
と。優未は
「・・・・カナも、か」
と悲しく言った。カナは
「優未もさ、リクオ君の事、好きなんでしょ?」
「・・・うん」
「・・・でもさ、敵わないよ」
「・・・うん」
「・・・及川さんには、さ」
「・・・だね」
と話した。カナが
「私ね、リクオ君じゃないけども一人いるんだ」
と言う。優未は
「誰?」
「聞く?」
「うん」
「驚かないでね?」
「うん、驚かない」
「妖怪の主・・・」
「ふ〜ん・・・妖怪の・・・ってえ!!?」
と案の定驚いた。
カナは
「でもね、好き、なんだ」
「名前は?」
「知らない。でも『若』って呼ばれてるみたい・・・」
「『若』ね、カナ清継君と一緒に居るからだよ」
「・・・そう、かもね」
と笑った。優未は
「そうだよ!ね、カナ私奴良君に告白する」
「・・・そっか私はしない」
「なんで?」
「リクオ君私の事『幼馴染み』しか見て無いもん。気まずくなりたくない」
「そっか。カナらしいね」
「そう?」
と長く、悲しく、笑い話をした。


それから数日後校舎裏でリクオに告白した、
という女子がいた。と言う―――――――。

続く
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