麦わら一味A

□忘れた頃にKAIZOKU!!!
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「え?」
「おい むぎこ もう一回言ってくれ!」
「っていうか読め!」
「え?嫁?」
「サンジは黙ってろ!」
『えっと…読みます。“前回の取材協力ありがとうございました!とても大好評でして 是非写真集を出版したいと思います!是非また協力宜しくお願いします…』

「ま…参ったなぁ‐このキャプテンウソップ様の魅力に みんな やられちまったみたいだなぁ」
ナハハ!と照れながら高々に笑うウソップ

『あ 続きがあった!“尚 ビジュアル重視の為 ルフィさん サンジさん ゾロさん ナミさん ロビンさん むぎこさん オマケでチョッパーさんに お願いします”だって…』

「あ…」
自分が蚊帳の外だと知り固まるウソップ

「悪いな」
ニヤリと笑い言うゾロ
「ま 鼻引っ込めてから出直せ」
無茶難題をサラリと言い放つサンジ

「ぢぐじょ゛〜!!!」
悔し泣きをするウソップを優しく宥める蚊帳の外のフランキーとブルック

「俺はオマケか…」
複雑な表情で呟くとむぎこが優しく頭を撫でる

「むぎこ〜っ!!」
ぎゅっと抱きつくチョッパー

「「「あ゛ぁ‐!!!離れろっ!!!」」」

サンジ ゾロ ルフィ の三人が同時に叫ぶ

「うるさいっ!!!」
ナミに怒られながらもむぎこに抱きついたまま離れないチョッパーを引き剥がし始める

「で いつ撮影するの?」
ロビンが尋ねた
『えっとね…あ 今日だ…』
「「「「「「「え?」」」」」」

「なんで いつも そう唐突なわけ?しかも 大好評って誰によ…」
ハァと大きなため息を吐きながらナミが言えば みんな大きく頷いた


「すいませ‐ん!宜しくお願いします‐!!」
突然響くスピーカー越しの声に みんなが驚く

「もう来たわ…」
「本当に唐突ね」

あっという間にサニー号を黒い船が 多少の間隔をあけて ぐると囲み 撮影スタッフが 続々とサニー号に乗り込んで来た

てきぱきと指示を出したり 撮影セットを組み立てたり 衣装を渡したりし始めた

『何か…圧倒されますな』
「むぎこ 日本語おかしいわよ…」
「あら…この衣装…露出高いわ」

「『え?』」
ロビンの引いた声に 自分の手元の衣装に目をやるむぎことナミ

『あたし…リボン体に巻き付けたみたいな衣装なんだけどっ!!いや!無理っ!!』
顔を真っ赤にしながら訴えるようにして叫ぶ

「シメてくるわ」
静かに そう言って部屋を出るナミ

『「…縄…?」』

ナミの衣装は赤い縄だった

ちなみにロビンは黒の網タイに下着みたいな衣装だ

-どかぁあぁっん!!-


凄まじい爆音がして 暫くするとナミが戻って来た

「衣装間違えてたみたい」
ニコリと笑い言うナミがやけに怖かった

ちゃんとした衣装に着替え次々とポージングして撮影は順調に進む

「あ むぎこさんとゾロさん ツーショットいきます!」

『え?』
「あぁ?」

スタッフに背中を押され無理矢理 くっつけられる二人

「おっおいっ!!?」
顔を真っ赤にして焦るゾロに お構い無しにスタッフは撮影を進める

『え…あ…』
むぎこもタジタジである

結局 ゾロがむぎこを抱き締めて口付けしそうな体勢で撮られた

「おいっ!俺もアレやるぞ!!」

「俺もだっ!!」
そんな二人を見て大興奮のルフィとサンジ

「是非 宜しくお願いします!」
スタッフは満面の笑みで頷いた

「え…これって…」
『ルフィ…』
向き合ったまま真っ赤になるルフィとむぎこ
それもそのはず…

「ルフィ!お前 むぎこちゃんを押し倒してんじゃねぇっ!!」
サンジが怒り狂っている

「いや…俺もこれは…むぎこ悪ぃ…」
恥ずかしさの余り 顔を背けて話すルフィ
『仕方ないよねっ…』
こちらも恥ずかしさの余り顔を背けて話すむぎこ

「二人とも 見つめあって下さ‐い!」

スタッフからの注意に ぎこちなく見つめあうルフィとむぎこ


「はい!OKで‐す!」


「次は俺だァああっ!!!」
鼻息荒くむぎこの元に走り寄るサンジ
「あぁ…幸せだあぁあ!!」
目をハートにして叫ぶサンジに苦笑いのむぎこ

そんな二人のポージングは
海を眺めているサンジの背中に そっと しがみつくようにむぎこが抱きついてるものだった

「柔らかい…柔らか…-ぶはぁっ!!-」
余りの嬉しさに鼻血を吹き出すサンジ

「サンジさん!鼻血止めて下さ‐い!!」

「無理でぇすぅう!!」
目をハートに 鼻血を吹き出しながらも律義に答えるサンジ

そんなサンジが可愛くてむぎこは クスクスと小さく笑った


約2時間ばかりかけて全ての撮影が終了した

「また出来たら届けますんで!」

そう言って頭を深く下げ スタッフ達が船から去っていく

ぐるりと囲んでいた黒い船も ずざざっと離れていった

『疲れたぁ‐』
ズルズルと崩れ落ちるようにして しゃがみ込むむぎこ

「無理もないわ むぎこは ほぼ休み無しで撮影していたもの」
ロビンが紅茶を渡しながら労う

「幸せだあぁ‐」
未だに余韻に浸るサンジ

ルフィは あれから ずっと真っ赤な顔を両手で覆い踞ったまま

ゾロは抱き締めた感触を思い出してるように自分の手の平を見つめ薄く笑っている

「なんなの アレ…」
「ナミ 気にするな あれはバカだ」
ナミが呆れたように言えば いつの間に居たのか分からないがウソップが答える

『あれ…チョッパーは?』

「ねぇ チョッパー撮影してたっけ…?」
ナミの一言に 自分の世界に入っていたルフィ達も ハッと顔を上げた



その後
「…わ゛ずれ゛ら゛れ゛でだ」


涙と鼻水で 顔中をぐちゃぐちゃにして、そう言うチョッパーを みんなで一生懸命宥めたのだった


[終わり]
 

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