麦わら一味A
□チョコレートが欲しい!!
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〜ゾロ編〜
「3011!3012!」
ぶんぶんと唸るような音を立てながら今日も甲板にてトレーニング中のゾロ
『ゾロ…あのさ』
「3018っ…あ?」
『あ ごめん…邪魔だよねっ』
慌てて謝ると険しい表情が ふわっと柔らかくなり むぎこを優しく見つめる
「いや むぎこなら邪魔なんかじゃねぇよ 何か用事か?」
額から幾筋もの汗が流れ落ちる
それをタオルで拭きながらバーベルを横に置いた
-ガシャンッ!!-
大きな音に むぎこが思わず肩を震わせるとゾロは小さく笑った
「ビビるなよ ったく お前は」
『ビビってないもん!ただ ビックリしただけだもん』
不貞腐れるむぎこ
クスクス笑うゾロ
「悪かったって…可愛くてな」
そう言って優しく頭を撫でる
『…許す///』
「お前 単純だな」
わざとらしく驚いたように言われ またむぎこは頬を膨らませた
『ゾロ あのさ 今日何の日か知ってる?』
「あ?今日?…さぁ 知らねぇけど」
ふぅ っと小さく息を吐き出して むぎこは小さな包みを差し出した
『はい!』
「あ?なんだこれ」
『チョコだよ!!今日はバレンタインなの!だからっ…』
じっと むぎこの手の中にある包みを見たまま黙るゾロ
『ゾロ?』
「悪ぃ…俺 鍛錬に戻るから」
『えっ…』
そう言って またバーベルを持ち振りだす
『…』
受け取ってもくれず むぎこは やりきれない気持ちのまま立ち尽くす
迷惑? そう聞こうと口を開こうとした瞬間
「悪ぃけどさ 食べさせてくんね?ほら…手 塞がってっから…さ///」
顔は真っ直ぐ前を向いていて表情は ハッキリと分からないが
『ゾロ』
「あ///?」
『耳 真っ赤(笑)』
「うっせぇ‐よっ///!!てめぇは食わす気あんのか!ねぇのか!ハッキリしやがれっ!!」
『はい』
包みを破き中から小さなハート型のチョコをゾロの口元に持っていく
「んっ…(モゴモゴ)」
『どぉ?』
「甘ぇけど うまい…んあっ」
食べ終わったゾロは口を大きく空けて催促する
『はい』
クスクス笑いながら また口にチョコを押し込む
ツンデレな君も溶ける
甘い指先