麦わら一味A

□チョコレートが欲しい!!
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〜サンジ編〜

『ここに こう引っかけて…っと』
夜も遅く 皆が寝静まってから アクアリウムバーで しかめっ面のまま本を読むむぎこの姿があった

-ガチャッ-

「あら むぎこ」

『ロビンッ!!?あぁ…焦ったぁι』
必要以上に驚くむぎこにロビンは首を傾げながらもソファーに近づく

『あ あのねっ…ほらっ明日バレンタインじゃない?』

「えぇ むぎこは誰かにあげるの?」
優しく微笑みながら尋ねる

『うん…あ ロビンにもあげるよ!でさ…その…本命に…///』

話しつつ真っ赤になって俯くむぎこを見つめながら隣に座る

「あら カギ針編みね とても可愛い柄になりそうね」
俯くむぎこの手元にある ゙初心者向けのかぎ針編み゙に目をつけて話す

『あ…うん 本命はさ チョコじゃなくて物にしようかなって///』
「あら 何故?」
『え゛っ///!!?…料理が得意…だから?』
真っ赤になりながらも答えるむぎこにロビンは驚きながらも微笑みながら頷いた

「素敵な考えね♪サンジ君なら今日は もう寝てるから安心して完成させてね」

『う゛っ…頑張ります///』

じゃあ行くわ と言ってロビンは静かに部屋を出て行った

『そりゃあ バレますよね///…さ!頑張って仕上げなきゃ!』

真っ赤になって熱を持った両頬を軽く叩き また 本とにらめっこしながら せっせと編んでいく

愛しい彼の反応を想像しながら…





「頑張ってたわよ」

「え?」

「いえ 何にも ただ…幸せ者のコックさんに忠告を♪」

妖しげに笑うロビンに不可思議に首を傾げるサンジ

「明日を楽しみに もう寝なさい」

「あぁ…でも 俺 仕込みが…」

「寝なさい」

「…はい」
有無を言わずなロビンの威圧にサンジは引きつり気味に笑って返事した

「おやすみ ロビンちゃん」
「おやすみなさい」

-バタン-

ダイニングからサンジが出ていくとロビンは一人小さく笑みを溢した

一方ダイニングを追い出された形になったサンジはアクアリウムバーの方を見ながら溜め息をついた
「むぎこちゃんの様子がおかしいから見てきて欲しいって頼んだだけなのに…はぁ 駄目だ 意味分かんねぇι」

頭をガシガシ掻いて また溜め息をつく

「寒っ!!…寝るか」
肩をすくまして 身を切るように冷たい風を防ぎながら男部屋へと向かう







翌朝

仕込みも出来ず眠りにつくしか無かったサンジは まだ辺りが暗い内に起き出しキッチンへと向かっていた

「あぁっ!寒ぃっ!!」
白い息を吐きながら頭の中で段取りを考える

その時 アクアリウムバーの扉が開いた

「むぎこちゃん」
『ぬぇえっ!!!サッサンジ君!!』
「アハハッ 驚き過ぎ」
優しく笑ってむぎこに近づくサンジ

『だって…いきなり居たから』

「俺だから?」
『え?』

ぐっと近くなり 話すサンジ

「俺だから 驚いたのかなって」
『いや…えっと///』
「温かいスープでもいかがですか?」
『うん!』
ニッと歯を見せ笑うサンジに むぎこも笑顔で頷き二人でキッチンへと向かう

『美味し‐!』

「そいつは良かった それ昨日ルフィと むぎこちゃん達が拾った貝からダシとったんだぜ?」

キッチンから顔を出して答えるサンジ

『嘘!あの不気味な貝から!?うわぁ…さすがサンジ君!!』

「いや あれを取って持って帰って生で食べようとしてた むぎこちゃん達の方がすげぇよ」
クツクツ楽しげに笑うサンジにむぎこは顔を赤くしながら黙ってスープを飲む事に集中しだす

「あれ?おっかしいなぁ…」
『どうしたの?』
「いや…昨日ここに置いといた干し肉が ねぇんだ…ルフィかι」
『はははι…だね』

「仕方ねぇ船長だぜ…ったくιちょっと食料庫行って来るわ」

『あ あたしが行くよ!』

「いやいや レディに頼めないさ むぎこちゃんは気にせず飲んで休んでて なっ!」
そう言ってサンジは足早にダイニングを出て行った


暫くしてサンジが戻ってきた

「あぁっ!クソ寒ぃ!雪でも降るんじゃねぇか?」

ガタガタ体を震わせながら両手一杯に干し肉を抱えたまま話すサンジ

『大丈夫?あ…サンジ君』

「ん?」

-ファサッ-

『はい バレンタインのチョコ変わりに』

「これ…」

『ほら サンジ君 料理得意だから あたしなんかの手作りチョコじゃ悪いから…だから かぎ針編みでマフラー作ってみたの』

「クソあったけぇ…ありがとうな」

-ぎゅっ-

サンジが力強く むぎこを抱き締めた

『サンジ君っ///!』
「クソ嬉しいぜ…ありがとうな…」
『うん///』


料理が得意な彼の腕の中で甘い幸せを貰った



チョコよりも甘い

貴方の


ぬくもり
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