☆拍手話し☆
□『ジャンケン』
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『最初はグー!ジャンッケン…ポンッ!!!!』
談話室から聞こえて来る賑やかな声に誘われてリナリーが扉を開くとそこには腕を天井へ振り翳すラビと密かにガッツポーズをする神田と床に崩れうな垂れるアレンのいつものトリオが居た。
「どうしたのみんな?」
声を掛ければ三人は一斉にリナリーに視線を向けた。
「あ、リナリー!!」
「丁度いいさ〜リナリーも入るさ!!」
「えっ?;」
何の事だか分からないリナリーはひたすらに首を傾げ
「何してたの?」
「じゃんけんさ!」
「じゃんけん?」
「そう!ほら、アレンって不幸が自慢なアンラッキー・ボーイじゃん?」
「誰も自慢になんかしてませんってば!!;」
「って本人は自覚ナシっちゅーか認めない訳なんさ。
だからここは一つ、ひたすらにじゃんけんをしてアレンに自分がアンラッキー・ボーイだって事を認めさせ様と思ってるんさ!」
「じゃんけんでアンラッキー・ボーイって…;」
余程の暇人でなきゃ出来ない遊びだなと思いつつも言葉にすればアレンに気の毒だなと感じたリナリーは敢えてそれを伏せた。
「他に方法は無いの?例えばカード勝負とか」
「リナ…お前、それ分かってて言ってんのか?」
「えっ?」
ソファーにどっかり座り見上げながら尋ねて来る神田にリナリーは首を傾げ
「コイツ、そのカードで生活を遣り繰りして来たんだぞ?」
「イカサマ師のアレンにカード勝負しても意味無いさぁ?」
「あ…;」
「なんかその言い方、すっごく腹立つんですけど…?;」
「だからここはシンプルにモヤシ頭のアレンにも納得して貰えるじゃんけんにしたんさ。
俺だけが相手じゃアレンも飽きるだろうからユウにも快く(無理矢理)参加して貰ってた所なんさ」
「モヤシじゃなくてアレンですってばバカラビ」
「バカって言う方がバカなんだぜ?モヤシ」
「じゃあ君の方がバカなんじゃないですかバ神田」
「んだとコラ」
「そうだったの…;で、アレンくんどの位、勝ってるの?」
「ゔ…っ;」
問い掛ければアレンは顔を引き攣らせ目を逸らし
「今、99戦99連敗中さ〜」
「え?!;全部、負けてるのアレンくん!?;」
「…はい…;」
それはそれである意味凄い事ではないだろうかとリナリーは思った。