☆拍手話し☆

□『star dust』
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「神田!早く早く!!」

「急かすな」

真夜中の教団の廊下では急ぎ足に歩くアレンとそのアレンに手を引っ張られる神田の姿があった。

「どこ行くんだよこんな夜中に…」

皆が寝静まった頃、自分達も寝るかと布団に潜り込もうとした瞬間、急にアレンが外に出たいと言い出した。

一般常識で行けば勿論、そんな事に同意する訳が無い。
そもそも外に出る様な時間帯でも無い。

神田はきっぱりとそれを拒否したがアレンは駄々をこねだし布団に潜り込んだ神田の上に跨り何度も行こうと強請った。

行きたければ一人で行けと突き放せばアレンは頬を膨らませ一人は嫌だと言いだったら諦めろと言えば親友であるラビを起こして行って来ると言い出した。

それを聞いてそうかと言える程、お人好しでは無い神田は起き上がりアレンに待ったを掛けた。

止められたアレンはニッコリと笑いその顔は掛かったな?と言わんばかりの笑顔で神田は舌打ちしつつも自分が折れるしか無いのだと確実した。

そして今、現在。白と黒、色違いのガウンを羽織った二人は外に向かいひんやりとした長い廊下を歩いている。

「早くしなきゃ見れなくなっちゃいます!」

「見れなくなる?何を見に行く気だお前?」

引っ張られながら首を傾げればアレンは首だけを振り返りニッコリ笑い

「それは着いてからのお楽しみです

「…女湯でも覗きに行く気か?」

誰も入ってねぇと思うぞ?と言えばアレンは顔を赤くし

「んな!ラ、ラビじゃないんですからそんな所に行きませんっ!!///;」

「………;」

―って事は覗きに行った事あるのかよアイツ…;―

つくづく女好きな奴だと呆れていると中庭から教団の外に出てアレンはそのまま森へと入って行った。

ここで毎日、修練をしている神田にとっては庭みたいなもので道順は分かるが普段、来慣れて無いアレンにとっては方向音痴も付く為、迷路の様なものだろう。

「えっと…」

「…おい、本気で何処に行くつもりなんだ?方向音痴のお前に着いて行くのは凄い不安なんだが?」

「バ、バカにしないで下さいよ!神田はちょっと黙ってて下さい!!;」

神田の言葉が意地を張る引き金になったらしくアレンは挙動不審に左右をキョロキョロしながらゆっくり森の中を歩き続け

「…何処まで行くんだモヤシ?もう随分と深い所まで来てるぞ?」

「うぐ…;」

流石に何十分と歩き続けていると神田も痺れを切らしアレンは立ち止まりゆっくり神田の方を向き

「…えっと…迷っちゃった…みたいで…;」

頬を掻きながら苦笑いすればやっぱりかと言う表情をし神田は深い溜め息を着いた。

「だから言っただろうがバカ…」

「う…だ、だって今日は晴れてたしこんな夜なら沢山、見れると思って…」

「だから何を見に行くつもりだったんだよ」

「……アレです」

スッと腕を上げ空を指差すと神田は指の先にある空を見上げた。

「……星か?」

「はい。以前、ラビやリナリーと来た時に星が綺麗に見える絶景の場所があったんです。
その時は神田、任務で居なかったから今日、見せてあげようって思って」

「お前な…星なんざ生きてる間に何度でも見れるだろうが」

「そうですけど…でもこんなに沢山の星を一遍に見れる日なんてなかなかありませんから…
神田と二人でゆっくり見ておきたかったんです」

シュンとすれば神田は小さく息を吐き

「…どんな所だ?」

「えっ?」

「その場所、どんな所だった?」

「えっと…確か高台で…教団が後ろに見えて森を抜けた所だった筈なんですけど…」

「この辺で高台と言ったらあそこしかねぇな…行くぞ」

「へっ?!」

今度は神田がアレンの手を引き森の中を歩き出しアレンは付いて行きながら神田の背中を見つめ

「分かるんですか神田?!」

「この森で毎日、修練してるからな。大体の位置は分かる」

「へぇ…流石ですね」

「感心してねぇでお前はいい加減、その方向音痴を何とかしろよな」

「すみません…;」

「おら、着いたぞ」

森を抜けると小さな高台の前に着きアレンはここ、ここ!と言いながら高台に駆け寄った。

「神田!こっちこっち!!」

手招きすれば神田はゆっくりアレンの元へ歩み寄りアレンは神田に抱き付くとそのまま二人は原っぱへ倒れ込んだ。

「いっ!お前なっ!!;

「こうした方が首が疲れないしいいじゃないですか。それよりほら空、見て下さいよ」

「………」

言われるままに目を空に向けると視界一面に広がるのは小さくながらも輝きを放つ星屑だった。

「綺麗でしょう?Star dust…日本語では星屑って言うんですよね?」

「あぁ…」

ジッと空を見つめ頷く神田にアレンは寄り添ったまま目を細め

「…まるで世界の中心に居る様な気分になるんですよね…こうしてると…」

「………」

「自分達がエクソシストである事もアクマや伯爵やノアの事も忘れてしまいそうになる」

「……たまにならいいんじゃねぇか?」

「え?」

「…時々くらいならこうして頭を空っぽにして星を見るのも悪くは無い」

「神田…」

小さく笑うとアレンは神田の胸に擦り寄り無限に広がる星空を見つめ続け神田は白銀の髪に手を添え優しく撫で付けながら見つめ続けた。













また二人で見よう。







このセカイを埋め尽くす







この空を埋め尽くす







綺麗で美しいこのStar dustを……











〜甘々?な神アレに仕上げてみました。
ふと夜中に外を見上げたら満遍な星空でとても綺麗だったんです。
その際に出来上がったネタでした(笑)〜
 

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