‡小話‡

□Rest
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「………おい」

「ん?何さ?」

「何さ?じゃねぇよ。邪魔だどけ」

オフの日。
二人でゆっくりするのは久しぶりで神田はベッドの上で本を読みラビはその神田の太腿に頭を乗せリラックスしていた。

「えー?いいじゃんちょっとくらい〜」

「どこがちょっとだ!彼此1時間はこうしてんだぞ?!」

最初の10分程は神田も何も言わず膝の上でゴロゴロするラビを放っておいた。
しかし、1時間も経つと流石に足が痺れだし頬擦りするラビに堪えかね神田は口を開いた。

「だぁってユウとこうやってのんびりするの久しぶりなんさ」

「だからってお前…人の膝を枕代わりにするな!足が痛ぇんだよ!!」

本に集中出来ねぇと言えばラビは神田を見上げ

「じゃあ集中しなきゃいいさ?」

「はぁ?」

「だってさ、俺もユウも今は休日さ?そんなん集中してたら休みになんないさ」

「………」

休日とは言え自分達はエクソシスト。
今は聖戦の真っ只中だ。
いつ任務が入るかなんて分からないし戦場に命を晒す事になるか…

そんな中でリラックスしろと言う方が無理だと神田は考えていた。

「ユウってさ、休日中でもいっつも真面目じゃん?鍛錬は怠らないし気を張り詰めてるし」

「それの何が悪い?」

「いや、悪くは無いけどさ」

ラビは膝から離れ起き上がると神田を見つめ

「なんかそれって疲れないさ?」

「!」

「ずっと警戒してさ。なんか逆に任務とか入るのを怯えてるみたいに見えるんさ俺」

「なっ…俺は怯えてなんかねぇ!!」

神田は身を乗り出し吠える様にラビの言葉を拒否した。

「俺達はエクソシストだ!任務が入れば戦場に向かう。命を張って敵を破壊する。
それが当然だろうが!!のんびりなんてしてられねぇんだよ!!!」



この命が尽きる前に…

『あの人』を見付ける為にも


自分の目的を果たす為にも


のんびり休日を楽しんでいる時間(ヒマ)なんて無い


「うん、そうさね。それが当然かもしんないさ。でもさ…」

「!」

スッと腕を上げるとラビはそのまま神田の頬に触れ

「少しくらいならゆっくりしてもいいんじゃないさ?
少しくらいなら憩いの場所を作ってもいいんじゃないさ?」

「…憩いの場所…?」

「うん。例えば俺とか」

「!!」

「俺はユウの憩いの場所になりたいさ。
こんな時代だからこんなセカイだから少しでもユウがゆっくり休める場所に…気を許せる場所になりたいさ」

「………」

ニコッと笑い優しく頬を撫でられると神田は自然と肩の力が抜けるのを感じポカンと口を開いていた。

「俺はユウをそんな場所にしたいって思ってるさ?だから休みの日にはトコトン、ユウに甘えるんさ

「…バ…」

「ん?」

「バッカじゃねぇかお前!!///;
んなモン、俺に求めたってすると思ってんのか?!///」

「してくれたじゃん」

「は?!///」

ニッコリ笑いながらラビは神田の膝を指差し

「さっきまで俺に憩いの場所をくれてたさ

「………っ////」

そう言われると神田の顔は真っ赤になりグッと口を噤んだ。
そんな姿にラビはクスクスと笑い

―可愛いなんて言ったらきっと怒るさね…。
膝枕ももうしてくれないかもしれんさ。だから…―

「!!///」

急に抱き締められると漆黒の瞳が大きく開かれ神田は慌てて抵抗しようとした。

「ちょっ、おま…!!///」

「だから今度はユウがリラックスするさ。今日はずっとそうしてたいんさ」

「…………//」

髪を撫でて来る手は温かくて優しくて神田はそれを振り払えずギュッとラビの服を握り締め

「……ちょっとだけだからな…?//」

「うん」

「俺の憩いの場所ならこんな事…モヤシや他の奴にすんじゃねぇぞ?」

「当然さ」

「………なら、いい///」

ポツリと呟くと神田はラビの胸に顔を寄せゆっくりと体から力を抜き全てを預けた。

 
 
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