short*sweet

□last letter
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『無駄に熱い晴矢へ



この手紙は、私が家を出た頃に見てくれるといいのだが……




まあ、取り敢えず謝る


すまないな



留学は大分前から決まっていたんだ


中々言い出せないし、事後報告みたいになってしまった





なあ、晴矢。


君は、私の事好きだったんだよな



私も、君が好きだった


最初は何でこんな女ったらし好きになったんだかって思ったさ



でも、君があんなに真っ直ぐな所初めて見た


一目惚れだったよ


君は果たしてどうだったのかな?


まあ今となっては多分確認しようがないんだろうがな

君の煩いのに妙に優しくて、熱いのに暖かい所とか



凄い好きだったよ


あまり人に心から愛されてなかった私を

君は全力で愛してくれて


私も全力で恋というものができた


全力で君と喧嘩できた


あと、まあけっこうどうでもいいだろうが


留学を早めた理由を言っておこう


この間から、ずっと貧血気味でね


練習もあまりままならない状態だったんだ

医者に聞いたら、原因は分からないらしいが、何かの癌らしい

海外の有名な大病院を探しながら、サッカーをするためだから


それだけの理由


君も連れて行きたかったけど


君はきっと無理しちゃうから



ああ、また頭痛くなってきた……字がね、ブレて見えるんだ





それじゃあ、最後に



有難うな。





君も自分の道を行って


私も私の夢を叶えるために頑張るよ


そうしたら、また何時か会いたいね


まあ私が生きてたらの話だが



じゃあな、大好きな晴矢


涼野 風介』










「…………風介…」



手紙を無意識に、グシャグシャにしていた



声が裏返りながら嗚咽が漏れた


この手紙に沢山俺の涙を吸わせた


何か、言えば、良かった



今からでも届いたらいいのに











「お前は絶対に生きてるよ」






声はユラユラ風で流れて、暖かい空気に溶けてなくなった





これが、最後の言葉




end






*あとがき*


あはは、やってしまいました!
途中からgdgdですね!
でもこういう晴風も好き
なんか手紙長くなってすいませんでした。

ここまで読んで下さり有難うございます!
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