short*sweet

□可愛い君
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「あのーお客さん、中入られないんですか?」



「へ、は、はい!?」



いつの間にか店員が心配して聞いて来た


確かに、俺は入り口の自動ドアに張り付いて中を見ている


いかにもあからさまにストーカーしている奴にしか見えない




「はー、るや!んー」


俺に気づいたのか風介はこっちに走って来て、腹の辺りに抱き付いてきた





う、うわ………マジでこいつ………









背、低い…………





「買えたんだよ、フリルニーソ!ね、似合うかな?」


まるで犬のように巻き付いている風介の頭を撫でた



「ニーソって……て……」


風介の下半身を見ると下着が見えかねない程丈の短いフリルのスカートを履いていた


惜し気無く晒された足には、太もも位まで長さがあるタイツの様な物を履いていて、フリルが付いている



はっきり言って、露出度が高い



「お前、んな格好すんなよ、寒そう」



「可愛ければいいのー晴矢あったかいし、んぅー」



風介は俺の腹の辺りに自分の顔を埋めていた



「え、風ちゃんの彼氏!?」



「そだよー」



風は得意気に答えた



「ふむふむ……んー……」


周りの奴らは俺を舐める様に見ると顔を明るくした






「うん、君なら風ちゃんに相応しいね!合格合格」



「へ」



肩をポンポンと叩かれた



「ああ……俺風ちゃんのファンだったのに……」


先程の店長が悄気ていた



「風介って……モテてたのか?」


「んー?何かモテるってよく分からないなぁ……」



「ふぅん……まあ、そうかもな」



「ほら、早く行こうよ、今日はデートなんだから!」


「たくよー…最初付き合わせたのはどこのどいつだよ」


「えへへ……」



顔を赤くして風介は俯いた


「んじゃ、行くか」



「ん」


腕に巻き付いたまま返事をしきた


「バイバイマイハニー!」

「ハニーじゃないもん」


店長の戯言に頬を膨らませていた




「……可愛いな」



「え」



「あーもう、二回も言わねぇっつーの」




「晴矢に言われると、うれ、しい……」



心を打たれた瞬間であった












やっぱり可愛い、俺の彼女




END
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