□イタリア人的愛情表現
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「…………何の用だ。」




コイツは毎日なにかを持ってきては私を口説きに来る。
そのため最近私の部屋はコイツからのプレゼントで溢れかえっている。




「あなたに告白しにきました。」



私が呆れている間にいつものようにドアの隙間をすり抜けて部屋に侵入する。

そして当たり前かのようにベッドに腰かける。



「……帰れ。」



「イヤです。このバラのように美しいアナタを愛してます。今日こそ俺の熱い思いを受け止めてください!」



バラと一緒にイタリア人特有の熱い口説き文句を贈られる。




「…………、気色が悪い。そんな女を口説く言葉を私に向けるな。」



「じゃあ言葉じゃなければいいんですね。」




いきなりフィディオに腕を引っ張られたかと思うとベッドに沈められ、サングラスを奪いとられる。


そのままフィディオの顔が近づき唇を塞がられる。




「んんーーっ!!はぁ……ぁんっ!」



舌が歯列をなぞり、私の舌をみつけだし絡めとる。

イヤらしい音をたてながら舌を吸われ甘噛みされる。


あまりにも凄まじいキスに腰が砕けてしまう。




「ふぅ……、何をするっ!!」



「言葉がダメなら行動で俺の愛を伝えようと思いまして。気持ちよかったですか?」



「ふざけるなっ!!」




近くにあったクッションを力いっぱいなげつける。




「ぶっ!…ふざけてないですよ〜、それに俺の言葉は女を口説く為じゃなくてアナタの為だけ…うわぁっ!?」



「はやくでていけっ!!」



もう一つのクッションもおみまいしてやる。




「ちょ!!…分かりましたからモノを投げないでください!」




フィディオは慌ててベッドから降りると急いでドアに向かう。





「あっ!でも俺は諦めませんからっ!!」



「うるさいっ!」




フィディオが閉めたばかりのドアに今度は枕をなげつけた。


















やっと落ち着いて近くに落ちていたバラの花を一輪手にする。


バラの贈り主としたキスを思いだしてしまい顔に熱が集まる。



きっとこのバラのように真っ赤だろう。









end
→あとがき
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