□豪炎寺×一之瀬
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国境なんて関係ない


















俺は日本人が奥ゆかしいなんて嘘だと思う。

俺は日本人だけどアメリカ暮らしが長いせいか考え方はどちらかというとアメリカ寄りだ。


幼なじみの秋達と比べても挨拶のキスなんか平気で出来ちゃうしね。

まぁ俺の性格もあるんだろうけど。



だからずっと恋愛も俺がリードする側だと思ってた。







けどこの男の前じゃお国柄とか性格とかそんなもの関係ないらしい。






「ちょっ……待てっ!近いって!!」


「これくらい普通だ。」



俺の腰を抱いて顔を近づけてきてるのは恋人の豪炎寺修也。


彼の力強いシュートに惚れた俺の積極的なアタックの末お付き合いすることになったわけだけど…

今では力関係はまったくの反対になってしまった。






「それに近くないとキス出来ないだろう?」


「ここ外だぞっ!!……まっ、………んっーーー!」




俺の抵抗虚しく強引に唇が重ねられた。


いくら夕方とはいえここは橋の下だ。

普段人通りが少ないとは言えいつ人が来てもおかしくない。









長いキスが終わっても豪炎寺の体が離れていく気配はない。


「いい加減離せっ!」


「もう一回。」


「ダメだっ!人が来るだろ!」


「来ない。」



なぜそんな自信満々に言い切れるのだろう。


「んん……っ。」



そうこうしてる間に二度目のキスが始まった。


中学生とは思えないテクニックに俺は為すすべもない。









「もっ……いいだろ?」



二度目のキスに息も絶え絶えに豪炎寺の体を押した。



でもやっぱり体が離れる気配はない。






「一哉…。」


「……最後だぞ。」









三度目のキスは俺から仕掛けてやった

それでも翻弄されるのはきっと俺の方だろう










恋愛に国は関係ないらしい








end
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