□稲妻高校2−S組
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〜一時間目〜



東京のど真ん中にある私立稲妻高校。


創立100年を越えるサッカー部はとても強く、地方からサッカーをやるために入学する者も多い。


この高校の理事長、影山零治もサッカー部のOBであり全国から選りすぐりの選手をスカウトしている。




そんな学校に今年から赴任してきた俺、土門飛鳥はサッカー特進クラス2ーS組の担任になった。



いくらサッカー特進クラスといっても普通に授業はあるわけで……

今はちょうど俺の受け持つ英語の時間である。



「例えばこの文のように〜されます、と説明する場合は受け身形と言われる…」


「はい、先生!!」


「なんだ一之瀬?」


「I LOVE YOU!!」


「とてもいい発音だか、今は関係ないだろ。廊下にたってなさい。」


たった今壮大な愛の告白をしたのはアメリカでスカウトされた帰国子女の一之瀬一哉。
頭もよく、サッカーもフィールドの魔術師と呼ばれるほど上手い。



だけど困ったことに性格と性癖がおかしいのか、なぜか惚れられたらしい俺はところかまわずコイツに告白される。



「え〜!廊下に行ったら先生のこと舐め回すように見れないじゃんっ!!」


「そんな目で見るな。」


「先生。」



「なんだ吹雪?」



手を挙げて俺を呼んだのは北海道からスカウトされた吹雪士郎。
雪原の王子と呼ばれ、顔がよく性格も優しい彼は校内一モテてサッカーも文句なく上手い。



だけど…



「僕も廊下に立ちたいです。」



「ダメだ。お前すぐに染岡先生のとこにいくだろ。」



コイツも間違いなく問題児だ。


俺のくる前に担任だった体育担当の染岡先生を一年から追いかけ回していたらしい。
そのためか否か染岡先生は担任を降り今は副担をやっている。



「だって、もう40分も染岡先生に会ってないんですよ!?死んじゃいますよ!」


「そんなもんで死なん。」



「そうだ吹雪、それに一之瀬、先生とクラスのみんなの迷惑になるからもうやめろ。」



問題児二人が騒いだ時にいつも助けてくれるのが生徒会長兼サッカー部副部長の鬼道有人だ。

品行方正で成績優秀の彼は間違いなく学校一の優等生だ。



「鬼道君に僕達の熱い恋心を止める権利はないよっ!!」


「そうだ〜!!」


「なんだとっ!?」



せっかく鬼道が注意したのにこの二人に反省と言う言葉はないらしい。



「まぁまぁ三人ともそう怒るなよ。」



でっかい懐と太陽みたいな笑顔で誰しもを虜にするサッカー部キャプテン円堂守。


いいヤツと見せかけコイツも立派な問題児だ。



「そんなことよりサッカーしようぜっ!!」



超が付くほどのサッカーバカで四六時中サッカーのことばかり考えている。



「円堂……、今は授業中だ。」




キーンコーンカーンコーン




「あっ、授業終わった。」




これが俺の日常です。








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