文
□唇にキズ
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僕といるときの染岡君を誰も知らない。
普段は一方的に見える僕たちの関係。
でも二人きりになるといつもは冷たい染岡君が別人になるんだ。
「俺だけを見ろよ。」
「僕は染岡君しか見てないよ?」
染岡君は意外と独占欲が強い。
僕が女の子にナンパされるだけですごく怒って泣いちゃうんだ。
そんな染岡君を僕は愛しくてたまらない。
「もっと…、もっと俺だけを見ろ。」
染岡君が僕の唇に噛みつくようにキスをした。
身体中が熱くなるキス。
唇が離れる瞬間、強い痛みが唇を襲った。
「痛っ……!!」
どうやら染岡君に噛まれたらしい。
唇の端から血液が溢れ、顎を伝わって落ちる。
「俺の物って証。」
首筋にまで流れた赤い雫を染岡君の舌が掬った。
厭らしい染岡君の顔とその感触に身体がゾクゾクと震えた。
「ねぇ染岡君…。僕は君にだったら殺されてもかまわない。」
染岡君といるときの僕を誰も知らない。
end
ヤンデレ?
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