文
□君とサッカー日和
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時々どうしようもなく不安になることがある。
僕と君の見ている世界が本当に同じなのか。
僕だけ別の世界にいて夢を見ているんじゃないか。
孤独の闇にのまれそうになる。
そんな時、君は必ず気づいてくれるんだ。
不器用な君は素直な慰めの言葉なんて口にしない代わりにいつも僕の傍に居てくれる。
「今日は絶好のサッカー日和、だな。」
ベッドの上、塞ぎ込んだ僕の肩にもたれかかった染岡君が呟いた。
窓の外を見ると青々とした空が広がっていて、サッカーをしたら気持ちの良さそうな天気だった。
何気ない言葉一つ。
だけど僕は確かにその言葉に救われた。
そっと重ねられていた手、触れる背中と肩。
あぁ、確かに僕はこの世界にいる。
ありがとう染岡君。
って言葉を照れ屋な君の為に飲み込んで、
「サッカー、しに行こうか。」
そう一言、代わりに言った。
end