□caricature
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毎週土曜日は土門が泊まりに来る。



部活が終わってから俺の家で一晩ともに過ごし、日曜日の練習に一緒に行く。


付き合いだしてからこれが俺達の休日のパターンになっていた。



最初の頃は毎回のように夜の営みに励んでいたが、最近は部活も忙しくなってきてめっきり減ってしまった。


もちろん俺はヤりたい盛りなわけで……


今日こそ土門をその気にさせるため、とっておきの作戦を考えてきた。






「土門、クラスのヤツにDVD借りたんだけど一緒に見ない?」



まずはいつも風呂に入ったあとにすぐに寝てしまう土門を寝かせないよう、わざわざ友達に借りたDVDで興味を引く。



映画とか好きな土門は案の定DVDに食いついてきた。



「いいぜ、なんのDVDだよ?」



何のタイトルも付いていない真っ白なディスクをプレーヤーにセットする。



リモコンを持って二人でベットに並んで座り見る体制を整える。



これで準備は完璧だ。




「聞いてないけど、とにかく面白いって言ってたよ!」


「ふ〜ん。」






DVDを再生すると一番最初に映ったのは制服を着た幼さの残る女の子だった。


その女の子が道を歩いていると若い男に話しかけられ、ホテルに入っていった。


部屋についた途端熱いキスを交わしベットにもつれ込んだ。


あまり言葉も交わさぬまま女の子は男によってあっという間に裸にされた。





「…ってこれAVじゃんっ!?」



やっと気づいたのか土門は顔を真っ赤にして叫んだ。


リモコンに手を伸ばそうとする土門の腕を掴む。


「せっかく貸してくれたんだしもう少し見ようよ。」




掴んだ腕を引き、隙間がないくらい体を寄せると土門は何も言わなくなってしまった。



言葉の代わりに固く握り込まれた手が膝の上で震えていた。






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