小説
□路地裏
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「カンクロウ、お菓子買いに行こうぜ」
晩ご飯を食べ終わり、居間でテレビを見ながらくつろいでいると、急にサソリがそんな提案をしてきた。
「今から?」
「甘い物が食いたくなった。ほら行くぞ、外は寒いから暖かい格好しろよ」
まだ行くとも言ってないのに、自分はそこら辺にあった俺の上着を着てさっさと玄関の方に歩き出してしまった。
「二人にも要るもん聞いてやれよ」
「ちょっと待つじゃんっ。テマリと我愛羅は何か要るか?」
クローゼットから上着を出して、同じくテレビを見ながら寛いでいた二人にリクエストはないか聞いてみた。
「あたしエクレア」
「…カラムーチョ」
我愛羅カラムーチョ好きだっけ?と疑問に思いながらも了解と返事をして、財布をポケットに入れたらサソリの呼ぶ声が聞こえてきた。
「カンクロウ早くしろよー」
どれだけせっかちなんだと思いつつ急ぎ足で玄関の方に向かった。
家を出るとすぐに、サソリが手を差し出してきた。
「ん、」
「…誰かに見られるじゃん」
「夜だから誰が歩いてるかわかんねぇよ。ほらっ」
渋々左手を差し出すとぎゅっと優しく手を引っ張られた。
普通ならこんな事、外では絶対にしない。
だけど街灯も少ないから薄暗いし夜も遅いから静まり返っている街中なら、まるでこの世に二人しか居ない感じに思えてこぉゆう事もありかな、なんて思えてしまった。
他愛ない話しをして、
じゃれあいながら歩いてると、今度は急に路地裏の方に引っ張られた。