BSR

□すれ違い様の告白
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  渡された紙に書かれた簡素な文。しかし微かに震えている線を見ればどれだけの思いがこの文に詰まっているのが分かった。



  「(…いや、詰まっているからこそ辛いんだよね)」



  結局この手紙への返事は、NOなのだ。
 そしてこの廊下は差出人のいるであろう場所に繋がっている。…行きたくないけど行かないわけにはいかないんだよねー。



  「…はぁ」

  「何をそんなに悩んでおるのだ」

  「旦那…」



  いつの間にか目の前にいた知り合い、というか家族は俺の手に握られている手紙を覗き込む。



  「ちょ、勝手に見ないでって!」

  「何故だ?」

  「何故って…」



  旦那は、この手紙を見たら早く行ってこいとか相手の子に協力みたいな感じするよね。

 実際好きな人にそんなこと言われたら結構凹むよ?


  「…む、告白…、破廉恥!!!」

  「ちょっ、見たの!?」

  「あ、ああ…。いや、その、早く行かないと女子が待っているのではないか?」



  …ほらね。
 旦那は優しいから。
 



  「なんて顔をしておるのだ!待たせるのは失礼であろう、早く行ってこい!」



  なんて顔しておるのだ…ってさ、



  「旦那もすっごい悲しそうな顔してるよ」



  そういうと旦那はハッとして笑顔を作った。

 そんなことしたって俺様の目は騙せないに決まってるでしょーに。



  「安心して、旦那。俺様は旦那の側を離れる気はないから」



  額にキスを落としてからぽかんとした表情の旦那をおいて女の子が待ってる場所に足を進めた。

  後ろで旦那が顔を赤くしてるのが、確認しなくても分かる。

 まあ、さっさと返事を済まして旦那のところに行ってあげようかな。





すれ違い様の告白









fin....

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