DRRR!!

□心の中は小春日和
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  寒い寒い、冬のある日の事。

  僕は人の多い道をなるべく早く目的地に行くために奮闘しながら歩いていた。
 今日は楽しみにしていた恋人である臨也さんとのデートの日。休日だからかあちこちにカップルがいて僕もそのうちの一人なんだと自分で考えて赤くなっていた。



  「臨也さんっ、はぁ、ま、待たせちゃって、すみませんっ」

  「全然待ってないから安心して」

  「ほ、本当にすみません…」

  「もーせっかくのデートなんだから謝るのはやめようよ!さ、いこ」



  笑いながら僕の手を引いて歩きだす臨也さんに釣られて僕も歩きはじめた。



  「(あれ…)」



  臨也さんは冬の寒いこの時期にも関わらず寒そうな格好でいた。
 うーん…臨也さん、このままじゃ風邪ひいちゃうよなあ。



  「あの、臨也さん、僕のマフラー使ってください」

  「でも俺が使ったら帝人君寒いでしょ」

  「ぼ、僕はいいんです!使ってくださいっ」



  マフラーをとって臨也さんに差し出すと押し返されて僕も押しての攻防戦。
 僕は少なくとも臨也さんよりも暖かい格好してるからマフラーくらいいいのに…。



  「じゃあさ、こうすればいいんじゃない?」



  臨也さんはマフラーをとって僕の首に巻き、そして自分の首にも巻いた。
 ぽかんと臨也さんを見ると臨也さんは楽しそうに笑って、冷たい掌で僕の手を握りまた、歩きはじめた。
  顔に熱が集中して、顔がすごく熱い。あー、臨也さんは恥ずかしくないのかな、僕だけ赤くなってるとかはずかしすぎるよ…!マフラーで顔を隠すようにしながらちらりと臨也さんの顔を見る。

  色白な臨也さんの頬がほんのりと赤く染まっていて思わずじっと見つめてしまった。



  「(臨也さんも僕と同じ気持ちなのかな)」



  そう考えると心が満たされていって体中がぽかぽかと温かくなっていく気がした。











  心の中は小春日和











fin.

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