DRRR!!

□それでは賭けをしましょうか
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  杏里は可愛い。
 それは俺もよくわかってるし杏里より可愛い子なんてなかなかいないとも思ってる。

 前までは幼なじみと三角関係になったりもした。


  でも今は……―――――

 隣で笑顔で話している二人を見ていると胸がチクチクと痛んで、それが段々とずきずきに変わっていく気がした。

 ある意味三角関係ではあるけどなぁ…。


  幼なじみ…帝人と話している杏里に目を移すと一瞬目がバチッとあってしまった。
 まあ嬉しいっちゃあ嬉しいんだけど俺としては今は帝人と目を合わせたい。

 杏里に不満があるわけじゃないんだけどさ、今の俺が好きなのは可愛い女の子じゃなくて、幼なじみであり男である帝人だ。

  狩沢さんとかよろこぶよなぁ絶対。
 相談したらすごいのってくれそうだけどまともな返事が期待出来ないのはなんでだろう。



  「正臣って最近よくぼーっとしてるよね」

  「そうか?」

  「うん」

  「あ、わ、私もそう思います」



  そんなにぼーっとしてたか?まあ確かに最近少しはぼーっとしてるかもしんないけど。



  「もしかして風邪?なら早く帰った方がいいよ!一緒に行くから!」



  そう言うと帝人は俺の手を掴んで歩きだした。
 杏里とはいつも別れている場所で別れて今はぐいぐい帝人に引っ張られている状態だ。

 いや、帝人が心配してくれてんのは嬉しいし俺の家に来るのとかもしかしたらそんな展開になるかもしれないしで内心ワクワクドキドキなんだけど…。



  「帝人、痛い」

  「あっ!ご、ごめん」



  少し顔を歪めて言うと帝人は慌てて手を掴む力を緩めた。
 帝人ってあんなに力あったっけ…?

 まあ、成長したってことでいっか。



  「何ぶつぶつ言ってるの。はい、家についたよ」

  「わざわざごめんな」

  「途中で倒れられても困るし全然平気だよ」



  若干黒いよな、帝人って。昔はあんなに純粋な子だったのに…!
 でもそんな帝人も含めて俺は帝人が大好きだ!



  「じゃあ正臣、倒れないでね?」

  「何々、愛しのダーリンが倒れるのが心配なのかぁ?」

  「それはない」



  そんな真顔で即答しなくても…。
 肩を落として苦笑すると帝人も楽しそうに笑ってから踵を返して帰っていった。



  「お前が杏里の彼氏になるか、俺がお前の彼氏になるか」



  帝人の背中を呟いた言葉に口元に笑みを浮かべながら見送って俺は自信をもって言った。



  「俺がお前の心ごと俺のものにしてやるからな!」



  誰よりも先に、お前の心を。








それでは賭けをしましょうか











fin.....

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