DRRR!!

□挟まれる身にもなってほしい!
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  「みーかーどくーんっ」

  「仕事してください」

  「顔みた瞬間それ!?」



  休日、臨也は池袋の街を鼻歌を歌いながら歩いていた。
 多くの人が入り交じる人ごみの中からストーカー行為にまでいきそうなほど愛している竜ヶ峰帝人を見つけ、 臨也は躊躇うことなく帝人に腕を大きく広げながら駆け寄り小柄な体を抱きしめた…かったのだろうが帝人はどこからかボールペンをとりだして臨也の眉間に突き立てた。



  「臨也さんの将来が不安です」

  「未成年に心配されたら終わりだよ俺!でも帝人君が俺と結婚してくれれば大丈夫だよ。俺やるきだすから」

  「死ねばいいのに(笑)」

  「酷い!」



  さらっと笑顔で黒いことを言い放った帝人に臨也は顔を手で覆った。



  「あれ、帝人先輩こんなところで何してるんですかー?」

  「げっ」

  「あ、青葉君」



  人ごみの中から駆け寄ってきた後輩に帝人は特に反応もせず、臨也は嫌そうに顔を歪めた。



  「帝人先輩今日も可愛いです!はぁはぁ」

  「ありがとう、死ね」

  「ボールペンで刺してください!」

  「ちょ、ずるいよ!俺だって刺されt」

  「安心してください、二人とも殺りますから」

  「「帝人様ああああああああっ」」



  笑顔でボールペンを構えた帝人に青葉と臨也ははぁはぁと息を荒げながら頬を赤く染めた。

 そんな二人を帝人は蔑むような目で見て他人のふりをしたくなり、しかしそれももう叶わないだろうと思ってため息をついた。



  「そうだ帝人君、甘いもの奢るよ」

  「本当ですか?ありがとうございます」

  「先輩が行くなら俺も行きますよ!」

  「何言ってるのかな?」

  「何かいけないことがあるんですか?」

  「俺は帝人君と二人っきりがいいの!」

  「抜け駆けなんてさせる訳無いじゃないですか」



  バチバチと火花を散らす二人にまた帝人はため息をついた。
 この二人といるとため息ばかりがでる、と現実から逃げるように空を見上げた。



  「帝人君の腕を放しなよ」

  「そっちが放せばいいですよね」

  「……はぁ」

  「ほら、帝人先輩が呆れてるじゃないですか」

  「君に呆れてるんじゃない?」



  睨み合う二人に挟まれて帝人は断ればよかったと少し前の自分が恨めしくなった。

 結局二人に腕を絡められてカフェに行くことになって歩きながら空を見上げた。



  「(ああ、なんで僕はこんな人たちに好かれたのかな)」



  今日何回目かわからないため息を帝人はついた。









  挟まれる身にもなってほしい!













fin.....

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