DRRR!!

□平行線の恋心
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  君は、誰のところに行こうとしてるの?

  鎖で繋いでも、首輪をかけても、何をしたってすり抜けてどこかへ行ってしまう。



  「帝人君、」



  今日も君は見えない誰かを追ってふらふらどこかへ行くんだね。

 君の帰るべき場所は俺のところなのに、君は、ここにしかもう居場所はないのに。



  「おかえり、帝人君」

  「……臨也さん、」

  「おっと、危ない」



  夜の池袋をさ迷って疲れきったせいかふらついた身体を抱きしめる。

 この街に残る面影を探そう、あわよくば彼を見つけられないか、なんて思って歩き続けても、


 日々変わりつづけるこの街では、無駄なのにね。



  「臨也さん…」

  「何?」

  「臨也さんなら、知ってますよね」

  「どうだろうね」



  ふっと笑うと帝人君は眉を顰めて俺の服を強く握る。



  「じゃあ、仮に俺が正臣君の居場所を知っているとしようか」



  口許を歪めながら帝人君の耳元で囁く。



  「俺は君のためなら何でもする。だけど君が俺の元を離れるならそんな情報あげないよ」

  「…どうして、臨也さんは…」



  意地悪く笑った俺に帝人君は俯いて、聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟く。

 そして続きを言わないまま俺の身体にもたれ掛かってしまった。



  「臨也さんは、何?帝人君」

  「……すー………すー…」



  聞こえてきた安らかな寝息に苦笑して、以前よりも軽くなった帝人君を抱えて、額に軽くキスを落とした。






  平行線の恋心









fin....

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