薄桜鬼 小説
□続.流れ星
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偶然会った原田先生は、私のグシャグシャの泣き顔と傷だらけの膝を見て、暫く険しい顔をしていた。
大丈夫ですとその場を去ろうとしたけれど、ガッシリと腕を掴まれていたため身動きが取れないでいると、原田先生はジャケットを脱いで私の頭に掛けた。
「これ被ってろ」
視界が暗転したと思ったら、膝裏を持上げられて抱き抱えられていた。
「えっ!?」
「わりぃな! 一応教師だからよ……それにそれなら幾ら泣いても見えねぇしな」
原田先生の優しい声に、堪えていた涙が零れた。
「お前は我慢強いけど、たまには人の側で泣くべきだ」
周りは騒がしいはずなのに、ジャケットを被っているせいか原田先生の声しか聞こえない。
そして私はいつの間にか眠りに着いていた。