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□おかあさん
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おかあさん




くる くる くる
ぎし ぎし ぎし

「ミク、ご飯が出来たわよ」

ミクはおかあさんに呼ばれ、テーブルにつく。

「今日のごはんはなあに」

ミクはおかあさんを見上げて言った。

「ないしょ」

おかあさんはそれだけ言って、ご飯を テーブルに運び出す。

「たのしみ。」



くる くる くる

まわる、運命

ぎし ぎし ぎし

空気の、悪さ


運ばれてきたご飯をみてミクは悲鳴をあげた。


「いっ!いあああああっ!あっ・あああああああああああああっ!」

お父さんの首。
ぎょろりと目だけが私を見る
片目は飛び出し、口には人差し指が刺さっている。

「うっ…!!!」

「ほら。お食べ。」


「…いぁ…!いやだ…!!!」



おかあさんの顔は 化物のように変わった。

「食べないと、あんたもこうするわよ?」

「わ、…わ…。…ひ…!!!」

嫌だ。と否定したところで、どうなるというのか。
意見は通るのか。

多分。


私も、首だけに。なる。



「たったべます…食べるから…許して…!!!」

私は以前父だったものの額にフォークを刺す。

飛び散る血。
ミクの顔にも血が飛ぶ。


…コワイ…コワイ…


もう、駄目…。


意識が遠退く。


――――…


くる くる くる

おかあさんが、くる


早く、逃げないと。

でも、逃げられない私。

逃れられない私。




「ほら。今夜は、貴女も一緒だよ…。」



私は、友達のリンに手を伸ばした――――…。
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