Drop

□大切な人
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眠っている、大切な人。
起きないかもしれないなんて、これは白雪姫のお話?

僕のことを、君の声を、


「音梦っっ!!!!!」


起きてよ。
ねぇ、僕の名前を呼んでよ。

どうして、自分の命を犠牲にしてまで僕を助けるの?
起きないかもしれないって、知ってたんでしょ?



「おい、伊織。休め」



もう、あの日から二日が経った。
寝ろ、何て言われても寝れる訳がない。


「音梦......ごめんね。......僕、謝るから起きて?
 明日は、起きてくれるよね?」


返事を返してくれないのは、僕のせい。
僕が音梦に助けて、なんて言わなければ、こんな事にならなくて済んだんだ。


「...........心、読んで.....くれないかな.....?」


初等部に、読心術の子がいたっけ。
その子なら、音梦の心、読んでくれるかな?



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