君が望む永遠

□Desire
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「おはよー!」

「おはよう」


午前六時、食堂。
まだ眠いが朝食を食べなければ生きていけない私。
昨日任務から帰ってきたのは午前2時で、思ったより任務の数が少なかった。

(まさか………ね)

頭に浮かび上がったのは昨日戻ってきたばかりの少年の姿。
留学中、なんて言って長期任務に行っていた彼。
知っているのは私とペルソナ、そして彼を送ったクソジジィだけ。


「あれ、早いね。晃」

「おはよう、樹。一人なんだ」


双子って一緒に居ないんだ……。
嗚呼そういえば私も蜜柑と一緒に居ることは少ないな。


「………晃は、さ」

「うん。知ってる」


他人が見たら変な会話だと思われるのだろう、否。実際変な会話だし。
けれど樹が言ってる事は大体分かる。

「………任務の事、でしょ」

「あったりー」

やっぱり。

棗達より先に学園に来た樹とは仲が良かった。
同じ危険能力系、そして同じ双子。
護りたいものが、かなり似てた気がする。

「大丈夫、棗には言ったりしないから」

「………ありがとね、晃ちゃん」

「何、気色悪いな」

「そろそろ昔見たいに話してよ、何か寂しい」

「無理言わないで。今話してるせいで目付けられたらどうするの」

運命を踏みにじられた私達は、
物心ついた頃から任務に出ていた。

どんどんいっぱいになっていく食堂。

食べ終わると、樹に向かって微笑んだ。

「じゃあ、ね。樹君」




昔々の、幸せな日々。

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