君が望む永遠
□Fear
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「何かお気に入りらしくて。それで彼が出る瞬間に会ったんだけど。」
「「…………は?」」
「棗がくれたやつだからどうしてもーっ!って叫んでた。
留学先のバスに忘れたらしい」
「ごめんね、気づいてあげられなかった」
あの日は早退。
頭が痛い、何て言っておき、ずっと樹と一緒にいた。
棗や流架が居るから何とか樹が言いそうな嘘を生み出し、……一応一段落。
「晃!!一緒に食堂行こうやーっ!!」
「ごめん、課題が残ってて暇ないの」
「え?もう課題やってるん!?!」
「私は蜜柑じゃないからね」
棗に後をつけられているが気にしない。
当たり前だろう、兄が消えたら誰でも心配する。
けれど、樹のお願いだし逆らう訳にはいかなかったりする。
「あのさー、棗。私は何も知らないから見張んないでくれるー?」
北の森に入ると、大声で叫んだ。
だって、つけられるのは好きじゃないから。
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