君が望む永遠
□Madness
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バカだ、心配して損した。
あれ?そう言えば私何で走ってたの?
「バカバカしい………」
木に凭れながら歩く少年を、木の陰から見ていた。
大丈夫なんだ、大丈夫なんだ、
自分に言い聞かせるように、そっとその場所を離れようとした。
「ゲホッ、」
それと同時に後ろで何かが落ちる音がした。
だ、いじょう、ぶ。
何で私は、知らない人の心配…………してるの。
晃ちゃんは蜜柑ちゃんと違って冷たいね。人の心配も出来ないんでしょ?
「ゲホッ、ゲホッ」
違う、違う。
私は蜜柑じゃない。
私は蜜柑みたいに強くない。
私は蜜柑みたいに優しくない。
私は蜜柑みたいに______
蜜柑みたいに、なれない。
「…………」
蜜柑みたいに、なりたい、だけなの。
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