Others

□たったひとりの人を愛した
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本部に戻って、心の中の空白を埋める何かを探した。
一緒に空を見上げていたあの人も、髪を弄っていたあの人も、一緒に本を読んだあの人も、喧嘩をしたあの人も、一緒に泣いたあの人も。

皆、皆居なくて。
嗚呼、こんな世界は嫌だ、と。
窓に向かって叫んでみたけれど、貴方が戻ってくるわけではなくて、そしてこの心の空白が埋まる訳ではなくて。
死んでしまいたい、そんな事言ったら貴方は私のことを殴ってくれる。死にたければ死ねばいい、とそういってくれる。
私の居場所はさて、どこだろう。
今更分かるわけがないのに。


人はソレを無くして初めてその価値が分かると、誰かが言っていた気がする。
私はそれなりにその人たちを大切に思っていたし、だからと言って涙したわけではなかったんだけど。
泣いていたらきっと笑われて、「泣く必要などない、」何て言われて、それで私は生き続ける。


今は亡き人たちへ








たったひとりの人を愛した
それはおとぎ話の中だけだと、貴方達は笑うのだろう
 

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