Others

□An incomplete doll
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「貴方にはね、生きてて欲しいの」


そう言って、自分を庇った貴方は、それはそれは美しい笑顔を見せて。
瞳を閉じた貴方の腹部は紅い華で飾られていて、その息は壊れた時計の様に止まっていた。
徐々に冷たくなっていく体は、何時か貴方がくれたジュースに入っていた氷のようで。
僕を庇って死ぬならば、どうして「愛してる」何て言ったの。
僕の死を望んだくせに、なんで僕を庇って死んでしまうの。
あの時言ったじゃないか、「一緒に生きたい」、と。


僕の中で止まった時間を待つことも無く、戦場は人々を死へと近づけていく。
セカンドだって、サードだって、殺す為に生まれた兵器なのだろう?
ならば、何故感情など、持たせてしまったのだ。






「うぁあああああああぁぁあああぁあぁああぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」











































死なせたく、なかった






An incomplete doll
感情など持っていなければ、少しは楽になれたのだろうか
 

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