Others
□太陽と月にはなりたくないよ
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「ト、ク...サ」
「はい、隣に居ますよ」
「キス、して」
あの強気な貴方は、今血まみれになって私の目の前に居る。
相打ちだった。
駆けつけるのが遅かった私は、ただ横たわる彼女を抱きしめることしか出来なくて。
「ねぇ、....泣いて、くれる?」
「泣きは、しません」
「笑って、くれる?」
「はい。笑います、貴方の為に」
「.....大好き、よ」
髪を撫でる手は冷たくなってきていて、そっと目を細めた。
「空に、なりたいの」
「え?」
「愛してるわ」
最後の力は、トクサを引き寄せる為に。
柔らかな唇を感じて
貴方は眠った
太陽と月にはなりたくないよ
朝夜関係なく、貴方と一緒にいたいの