小説 薄桜鬼 短編集
□新八の恋物語
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―西本願寺屯所―
「近藤さん、凄腕の剣士を連れてきたぜ」
新八は、局長の近藤に咲良を紹介した
新しい有能な隊士を喉から手が出るほど待ち望んでいた局長の近藤勇は、新八の報告に表情を明るくする
そこへ、遅れてきた土方が加わった
「そうか!永倉君、君が認めた腕なら間違いないだろう・・・」
視線を咲良に移すと、近藤の表情は一瞬にして、驚愕へと変わる
「!!永倉君、この子は・・・女子ではないのかね・・・?」
新八も、咲良も予想していた反応だった
「ああ、新見咲良ってんだ。」
土方も同様の反応を示す
近藤と土方を諭すように、新八は、咲良のことを話す・・・・道場で、一番の腕であること、新八とほぼ互角に渡り合ったこと、ほかの道場には、彼女ほどの実力を伴った剣士はいなかったことなど・・・
近藤は、土方と顔を合わせ彼女の入隊についての決断を下す
「・・・わかった。永倉君がそこまで言うなら、彼女の実力は本物なんだろう。一人でも有能な隊士がほしいのは周知の事実だ・・・君の入隊を認めよう。これから宜しく。」
その場で、咲良に頭を下げる近藤
慌てて、咲良も近藤に頭を下げる
「性別を問わず、私を認めてくださってありがとうございます。よろしくお願いします。」
「よし、そうと決まったら、今夜は歓迎会をしようじゃないか!ほかの幹部たちにも、紹介をしたいしな。」