小説 薄桜鬼 短編集

□うたかたの恋
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近藤達が浪士組となり江戸を離れ一年が経った




新撰組の屯所は二度目の春を迎える





近藤は、屯所内にある桜を眺めていた






すると





なにやら門が騒然となってきた







(なにごとだ?)






足早に門に急ぐと





門番と、一人の浪人が言い合いをしていた




その浪人は、綺麗な顔立ちをしていた





「おい、何事だ?」




門番に尋ねると





「局長!!すみません。この者が局長に会わせろだの、隊士にしろだの・・・」





ふと、門番が手を焼いている人物に目をやると





「・・・近藤さん・・お久しぶりです」





沙耶だった・・・




長旅のせいか、少しやつれていた




「沙耶・・・お前、一人でここまえで来たのか?・・・」







門番が二人のやりとりを驚きの表情で観ていた




「あ・・・すまん、こいつは試衛館時代の門弟だ。このまま番をつづけてくれ」




「そうでしたか!失礼しました!」




門番は、持場に戻った





近藤は、沙耶を一先ず空いた部屋に連れて行った
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