源平ラバーズ
□バレンタイン小話(義仲)続編
2ページ/5ページ
「よぉ!静!もしかして、その手に持ってるのって、チョコレートってやつか?」
部屋に入るや否や、義経様に、チョコレートのことを指摘されてしまった
「あ、あの、ご存知でしたか…」
「あぁ、さっき鬼サンに会って、チョコレートのこと聞いた。バレンタインの贈り物だって。」
鬼一さん…変に情報をふれ回らなくても…少し鬼一さんを恨めしく思った
「もちろん、そいつは、俺様のために作ったんだよな?静。お返しなら俺様の部屋でたっぷりしてやるぜ。」
そう言うと義仲様は、私の腕を取り、引き寄せようとした
「あぁっ!コラっ!義仲!勝手に決めつけんな!」
義経様があわてて私の腕を義仲様から奪い返す
そして優しく手を離してくれた
「九郎の言う通りだ。義仲殿に渡すとは決まっていない。」
「フンっ」
少し義仲様は不貞腐れる
「で、誰に渡すんだ?」
義経様の言葉に、三人の視線が私に注がれる
私は、答えるしか選択肢は残されていない状態に陥った
意を決して、私は渡したい殿方の名前を告白する
「義仲様です」
私の方をじっと見ていた義仲様と目があった
「ちぇっ、つまんねーの。静のお菓子食べたかったのに。」
「九郎、敗者は早めに退散だ。行くぞ。」
お二人は、潔くその場を後にした
部屋には私と義仲様の二人きりに