虚無に咲いた笑み
□夢
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「――っ!!!」
鏡羅は額に汗を滲ませたまま飛び起きた
「・・・・・」
今のは峰庵・・・
何故峰庵が・・・?
「・・・という夢をみたのさ」
鏡羅は名言(迷言)のように呟く
すぐ隣を見ると小十郎が安らかな寝息をたてて眠っている
「眠っていても皺はとれんな」
皺を寄せたまま眠る小十郎の眉間にそっと触れてみた
ところで私はいつ寝たんだ?
足が地味に痛かったので佐助に斬られたことを思い出す
蒼雅が街まで連れて行ってくれて・・・・・あーダメだそこからここまで帰るまでの記憶がない
鏡羅は考えながら足に少し力をいれると
ん?毒が抜けたのか?足が動かせる
まだ痺れはあるが動かせた
小十郎を起こさないように布団からそっと出て、気を紛らわせるためにまだ若干痺れる足を引きずりながら音をたてずに襖を開け、庭に出た
「月が綺麗だ」
鏡羅は顔を空に向け夜空を見た
今宵は下弦の月
鋭く尖った月が鏡羅を青白く照らしながら冷たく見下ろしていた
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