novel

□rainbow
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高級マンションの最上階の政宗の部屋。
窓から曇天から止む気配のない雨を政宗は睨むように見ていた。

「なんで雨なんだよ」
「梅雨に入りましたからね」
「せっかくの連休なのに!」
「まぁまぁ」

苛立つ政宗を宥めようと背後に立つと後ろから抱き締める。
ビクッとあからさまに政宗の肩が揺れて幸村に振り返る。

「な、んだよ…っ」
「家で二人でゆっくりするのもいいじゃないですか?」
「でも晴れてたら二人でどっか行けたじゃねーか」

それでもまだ不満なのか、ふてくされたようにまた窓の外の雨の街を見下ろした。

「まだあと五日間もありますから、晴れたらどこか行きましょう?」

今日はゆっくりとその時の計画でも立てましょう。という言葉とこめかみのキスで幸村に宥められ、政宗も仕方ないな、と窓から視線を逸らした。

「どこ行きましょうね?」

リビングのソファーに隣同士に座り幸村がいつも持ち歩いているパソコンを開く。
政宗もどこか良い所はないかと一緒に覗くがどうもぱっとしない。

「思い切って梅雨のない北海道でも行きますか?」
「ぅーん…」

案外ノってきた幸村が次々と政宗が行きたがってた場所や行きたそうな場所を画面に出すが、やはり政宗はぱっとしないのかずっと言葉を濁していた。

「海外行くには日にちが足らないから、」
「それだ!」

政宗は何かを思い立ったように、先ほどまでとは打って変わって笑顔になる。

「なぁ元親んとこ行こうぜ」
「だから、無理だと」
「今すぐ空港行けば間に合うだろ?」

元親って今何処にいるんだっけ?と既に行く気になって話始める政宗に幸村は政宗を見ずに口を開く。

「ダメです。それに流石に海外となったら片倉社長に聞いてみないと」
「ちぇー…」

振り出しに戻ったじゃねーか、とソファーにふんぞり返って、またふてくされる。
それに幸村は笑って返したいのに、どうにも政宗の態度が面白くなく静かにパソコンを閉めた。

「そんなに元親殿が良いんですか?」

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