Special
□真実は銀杏の木の下に
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俺はついこの間まで毎日通っていた校門の前に佇んでいた。
校門や校舎を少し小さく感じるのは、俺の体が大きくなったせいだろうか
「ついこの間までここに通ってたなんて…不思議ね」
同じように校門の前に佇みながら、俺と同じ帝丹高校の制服を着た宮野がそう呟いた。
「新一お兄さ〜ん、志保お姉さ〜ん」
元気いっぱいの歩美ちゃんの声が校舎の方から聞こえてきた。
「遅いですよ〜!僕達待ちくたびれちゃいました」
「ごめんな。俺達今日、掃除当番だったんだよ」
口を尖らせる光彦と元太をなだめながら、俺は言った。
「掃除当番は良いけどよ、ちゃんとあれ持って来たかよ〜?」
「ええ。勿論よ」
元太の答えに宮野は答えながら、鞄からクッキ−の箱を取り出した。
「わぁっ」
途端に上がる歓声
「何だかドキドキするね」
「早く銀杏並木の所に行こうぜ!」
元太のその言葉と共に、ランドセルを背負った三人は駆け出した。
俺と宮野はそんな三人の少し後ろを歩きながら、銀杏並木がある飼育小屋の方に向かった。
まるで―
あの頃に戻ったみたいだ
少年探偵団だったあの頃に
元太と光彦と歩美ちゃんの少し後ろを、俺と灰原が皮肉の応酬をしながら歩いていた
あの頃に―