Special
□些細な話
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本当に馬鹿なんだから…
テ−ブルの上に置かれたお弁当箱と携帯を見ながら溜め息を吐いた。
いつものことながら、今日も遅刻ギリギリの時間にしか工藤君は起きて来なくて
慌てて出て行ったと思ったらこのざま
人がせっかく早起きして作ったお弁当を見事に忘れて行った。
おまけにいくらメ−ルを送っても応答がない。
どうせ血生臭い推理小説でも読みふけってるんでしょうけど
…メ−ルぐらい見なさいよ
それにしても何故自分は彼のお弁当を毎日作っているのだろうかと、今更ながら不思議に思った。
お弁当に入れているのはただの残り物
作っているのは捨てるのが勿体無いから
ただそれだけよ。
特別な理由なんて何もない。
自分で自分を無理矢理納得させると、新たな問題に気付く。
このままだと自分でお弁当を食べるか、捨てることになるわね…
それは何だか癪だと思った。
別に彼に食べて欲しい訳ではない。
ただ、早起きして作ったという労力が無駄になるのが癪なだけ
私は急いで身支度をすると、携帯とお弁当を持って帝丹高校に向かった。