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□真実は小さな胸の内に(前編)
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「ねぇちょっと良いかな?」

歩美は下足箱の前でモノマネに華を咲かせている子供達の輪に入って行った。


「私達ある一年生の子を探してるんだけど…」



歩美に続き、光彦と元太も子供達の輪に駆け寄った。




「黒縁の眼鏡を掛けた推理好きで生意気な男の子と、茶髪で外国人っぽい顔つきをしたクールな女の子なんですけど…知ってますか?」

「知ってるよ。この前、転校してきたばかりだから」

小さな女の子が大きな目をパチパチさせながら、三人の顔をまじまじと見上げた。







「転校生…?」





コナンと哀が転校生として、自分達の前にやって来た日の事が、三人の内に自然と思い浮かんで、思わず顔を見合わせた。





「うん。この前、米花町に引っ越してきたばかりって言ってたよ」


「あの二人すごいんだよ!この前、学校であった事件も解決しちゃうし」

「警察の人とも仲良しなんだよー」




三人の鋭い視線が交錯する。




まさかー




プリーツスカートの裾をぎゅっときつく握りしめる歩美。

こくんと一つ、唾を飲み込んだまま動かない光彦。


ひくつく喉の痛みに耐えながら、かすれた声を元太が絞り出した。



「お、おい…その二人ってまさか」






「あ!あの子達だよ」


元太が恐る恐る訪ねると、子供達が一斉に指を差した。



すると子供達の声に気付いたのか、下足箱の中を覗き込んでいた少年と少女がゆっくりと顔を上げた。
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