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□日記ログ
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鮮やかに赤い頭髪が眼前に広がる。
死神の背に庇われる屈辱よりも遥かに、力強く立ちはだかる体躯に覚えた安堵が強い。
(助けられた側だったくせに、偉そうなんだよ、きみは。)
心配なんかしていない。
自分の前で斃れるような男じゃないと知っている。
たとえ全身を朱に染めていたとしても、見得を切ってみせる男だ。
だからこそ、背に庇われてやってもいい。
それが立ち上がる力になるというのなら。
肩を並べてもいいと思える。
限界を知りながら足掻く事を厭わない精神が、好きだと思うから。
何度地べたに伏そうとも、貪欲に生き抜き勝ちに行こうとする意志の力。
この男のそこが自分を惹きつけるのだと。
(言ってなんか、やらないけどね。)
信頼を寄せるに足る、魂の礎だ。
「下手打つんじゃねえぞ!!!」
「君が打たなければね!」
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