春風の歓迎下書き
□心を掴むモノ
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「丹羽様!」
パタパタ…と足音をさせて走る。目当ての人物は、目の前だ。
「お待たせしてしまいましたか?」
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言って微笑んでくれる。
「さぁ、どうぞ、上がって下さい」
「はい。お邪魔します」
私はそう断って屋敷に上がらせてもらった。
「では、始めましょうか」
「はい」
今日は丹羽様にお菓子作りを教えてもらう約束をしていた。
丹羽様は着物の袖を紐で止め、割烹着を着た。私も私で着物を邪魔にならない様に紐で止めた。
「・・・でも、」
「どうしました?」
「良かったんですか?折角の休日だったのに、私なんかに時間を割いて頂いて・・・」
「いえ。私の休日はこんなものですから。それに・・・」
にっこりと微笑む。
「貴女と一緒に居ると、私も楽しいですから」
「・・・//丹羽様・・・」
「父も言っていましたよ。貴女なら、何時でも嫁(遊び)に来いと」
「・・・//あ、有難うございます・・・」
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