春風の歓迎下書き

□一生・・・
1ページ/1ページ

信長様の婚姻が決まった。
相手は隣国美濃のお姫様。


 「信長様…」

 「何か用か」

 「…はい。同盟の成立…おめでとうございます」

 「フン」

 「嬉しくないので?」

 「それはお前だろう」

 「あ…。気付いておいでですか…」

 「当たり前だ」

婚姻が決まれば、私は相手にしてもらえないのではないか。そんな不安が…そんな不安で一杯だった。

私は信長様の一側室にしか過ぎない。正室となる美濃のお姫様になんて、勝てない。信長様をずっと支えて来たのは私なのに…。

 「安心しろ」

 「?」

 「美濃の姫が来た所で、お前の立場は変わらない」

 「……殿…?」

 「一生俺の傍に居ろ」

 「……はい。仰せのままに…」




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ