春風の歓迎下書き
□一生・・・
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信長様の婚姻が決まった。
相手は隣国美濃のお姫様。
「信長様…」
「何か用か」
「…はい。同盟の成立…おめでとうございます」
「フン」
「嬉しくないので?」
「それはお前だろう」
「あ…。気付いておいでですか…」
「当たり前だ」
婚姻が決まれば、私は相手にしてもらえないのではないか。そんな不安が…そんな不安で一杯だった。
私は信長様の一側室にしか過ぎない。正室となる美濃のお姫様になんて、勝てない。信長様をずっと支えて来たのは私なのに…。
「安心しろ」
「?」
「美濃の姫が来た所で、お前の立場は変わらない」
「……殿…?」
「一生俺の傍に居ろ」
「……はい。仰せのままに…」
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