短編

□喧嘩するほど仲が良い
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「ざけんなっ!テメー!」
「やるか!あ"あ"!?」
文次郎と留三郎は口喧嘩していた。きっとまた殴り合いの喧嘩に発展するだろう。
売られた喧嘩は買う二人の間の決まり事のようだった。どっちから吹っかけたかなんて覚えていない。

喧嘩するほど仲が良い

「まーたやってんの?飽きないなぁ〜」
伊作は困った顔で二人を見ていた。
「まったく…あいつ等は馬鹿なのか?毎回毎回…」
「うわ!仙蔵いつの間に!?」
いつの間にか自分隣にいた仙蔵に伊作は驚いた。
「伊作も思わないか?毎回、毎回、同じパターンの繰り返しだ。普通ならもう飽きるだろ?」
「くすくす…確かにね。でも、二人共意地っ張りだから止められ無いんじゃない?」
仙蔵は伊作の意見を聞くとため息をつく。
「呆れた。まったく」
「夫婦喧嘩も大概にして欲しいよね?」
伊作はそういうとまた小さく笑った。
「本当だな」
仙蔵も笑った。

「ゼェゼェ」
「ハァハァ」
二人は一旦おさまり相手をみる。そして同時に、
「「テメーなんか大っ嫌いだ!!」」
と叫んだ。
昔あった言葉で彼らは知らないのだろうか?

喧嘩するほど仲が良いと…

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