短編

□父上母上
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「「「食満せんぱ〜〜い!!」」」
用具委員の一年が留三郎に声をかけた。俺はただいま留三郎と二人で、午後から向かう学園長先生のお使いの道の経路を相談していた。
「どうした?お前達?」
留三郎はいつもの三倍以上の優しい声で言う。
「せんぱい!!遊びましょうっ!?」
喜三太が楽しそうに言う。おいおい、俺達は今それどころじゃないんだが…。
「いいぞ〜!何して遊ぶ?」
オイ、コラ。何勝手な事言ってんだ。まだ話終わってねぇだろうが。
「家族ごっこがいいです!」
「家族ごっこ?」
「はい!家族ごっこって言うのは、最近ろ組とは組で流行っていて、誰かを母親と父親にして遊ぶんです!」
「…この前は、は組の伊助が母親で、父親は虎若がやったんです」
「へー、楽しそうだな〜!」
オイ、留三郎。何盛り上ってんだ。バカタレ。話戻せや。
「オイ、留三「んで、俺はどうすりゃ良いんだ?」
「……」
テメェ、俺を無視かよ…。たく、本当に後輩に甘いな。だからショタコンて言われるんだバカタレ。
「「「母上〜!!」」」
「は、母上…?」
留三郎、ショックだったんだな。父上が良かったのか?お前は。
「はい!さっき皆で言ってたんです!」

「食満せんぱいが母上だったら良いよねって!」
「…やっぱり嫌ですか?」
留三郎、やだよな?だから話戻「嫌じゃないぜ!」…はぁ?
「別にいいぞ!」
「わ〜い!母上〜!」
ぎゅ〜〜〜っ!!
…留三郎、俺を忘れてないか?
「喜三太ずる〜い!僕もっ!!」
ぎゅ〜〜っ!!
…忘れられたな…。
「…潮江せんぱい」「…ん?なんだ、平太?」
「潮江せんぱい、父上になって欲しいです…」
………俺は今、フリーズした。ち、父上だと…?
「あ〜!平太良い案だね!父上〜!」
と抱き着いて来る喜三太。俺はさらにフリーズする。その時もう一人一年生が現れた。…は組の団蔵だ。
「あれー?喜三太何やってんの?」
「あ!団蔵!あのね、食満せんぱいと潮江せんぱいと家族ごっこしてるのっ!」
「へー!僕も入れて!」
「良いよ〜!」
留三郎、どうにかしろ、お前の後輩だろう?
「お前達〜可愛い過ぎ〜大好きだぞ〜〜!」
…駄目だ。花畑が見えてやがる。はぁ、まあ、こういうのも悪くないかもな。外ならぬお前と夫婦ならな…。

留三郎?


家族ごっこして遊びましょう?

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