もうすぐでまた新しい新入生が入ってくる。 何度この季節をここで迎えるのだろうか、と後ろからキンキラを睨んだ。 俺様は別にこいつにここまで付き合ってやる義理はないんだがよぉ。 まぁこの学校には原田っておもしれぇやつがいるから構わねぇけどな。 「で、今回は候補いたかぁ?」 俺様の前で紙とにらめっこするキンキラにそう聞けば自慢げな回答が返ってくる。 「ああ。今回はよい嫁候補が2人もいたぞ」 嬉々としたキンキラに適当に相槌をうって瞼を閉じる。 あとは天霧が相手してくれるだろ。 確か、俺様がこいつらと初めて会ったときは俺様が他の高校の野郎とタイマンはった時だろう。 俺様が一人なのに対して向こうは20人程。 結果は俺様の圧勝だったが、それを見ていた風間が俺を生徒会に誘ったのだ。 別に断る理由がなかったが、今思えばあのとき断っていれば俺様は無事に高校が卒業できただろうに。 「起きろ不知火。我が嫁を偵察しに行くぞ」 いつの間にか寝てしまったようだ。 どうやら俺様が寝ていた間に嫁候補を見に行く事になったらしい。 眠さをこらえて起き上がる。 本当になんでこんな野郎といるのか自分でもわかんねぇぜ。 ただ、こんだけ長い間一緒にいたからか、一緒にいることが普通になっちまってる。 慣れって恐ろしいな。 でも、まぁ風間も良いとこがないわけじゃない。 まだまだ俺様の高校生活は終わりそうにないが、とりあえず退屈はしなくてすみそうだぜ。 「女、俺の嫁にこい」 ほら、こいつバカだし見てて飽きねぇんだよな。 こういうのが意外と楽しくてサボらず学校に来ている。 こいつらに会う前ならあり得なかったが、今は学校が楽しいと思えるぜ。 だからあと少しはこいつらといてやるか。 「不知火、この娘をさらってこい」 ………やっぱ俺様卒業するか。 さすがにキンキラのせいでサツに厄介になる気はねぇよ。 ってか、俺より留年してるが、キンキラって歳いくつだ…?← ‐End‐ |