焔の明星さま
□満月の想い
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北西の方に怪しいギルドが向かったという情報からここカルボクラムに来たもののそこはあきらかに廃墟でここに紅の絆傭兵団がいるとは思えなかった。
そこへ何処からともなく、警告の声がユーリ達にかけられた。
その声の主はカロルが所属しているギルド魔狩りの剣の少女でカロルは嬉しそうに少女に声をかけたのだが・・・・
「はあ・・・・なんでうまくいかないんだろう・・・はあ・・・・クビ・・・クビって言われた・・」
少女とカロルはカロルが逃出した逃出してないといった口論になりそのままカロルにクビを言い渡し、本来の仕事である民間人への警告を終えると有無を言わさず廃墟へと消えていった。
「カロル元気出してください」
「もう、元気でないよ・・・・ナンの言葉が胸に痛い・・・」
「危ないから入ってくるなって心配してくれてたんだ。希望の光はまだあるんじゃねぇの」
「え!そ、そうかな!?・・・って、別に僕はナンのことはどうでも良くて」
「問題はギルドの方ってことだろ、そんなのわかってるよ」
「う、うん、そう。ナンのことは全然関係ないから」
「かろるごめんな」
急にルルに謝られてカロルは何のことかと首をかしげる
「おれあのこがあらわれたとき、いやだとおもったんだ。これでかろるがなかまのもとにかえれるんだからよろこばなきゃいけなかったのに・・・・かろるがいなくなっちまうとおもうとさみしくて・・・」
もしかしたら、かろるがくびになったのおれがそんなことおもってたからかもしれないとルルが落ち込みだした。
「そ、そんなことないよあれはルルのせいじゃ・・・」
「そうよ、あんたなんでもかんでも背負い込みすぎなのよ。あのこのようすからしても積もりに積もったって感じだったしね」
「ううっ、だ、だいじょうぶ、ちょっとした誤解なんだから・・・ナンのことは気にしてないし」
「えっでもなんって、かろるのすきなこだろまえにりたのいえではなしてたよな」
話がまとまりそうになった所にルルが爆弾を落とした。
「え、ちち違うよ、べべ別にぼ、僕はナンのことなんて」
うろたえはじめたカロルの横リタは呆れていた。
「あんたら人の留守中にそんなことはなしてたわけ?」
「うん、なんかいろいろとはなしてたけどながれでそんなはなしになったんだ」
「大丈夫ですカロル!!私カロルを応援します!!」
街の探索している時エステルが魔狩りの剣はどんなギルドがカロルに尋ねてきた。
「その名の通り、魔物狩りを生業にしていうんだ」
「ま、結界の外に出る時には、魔物がどうしても邪魔だからな。商売繁盛してそうだな」
結界の外にでることはその分魔物の脅威にさらされるということだ。
「うん、依頼も確かにたくさんうけるよ。でも、魔狩りの剣はいらいがあるから、魔物を倒してるんじゃない。魔物は悪。だから、その悪を討つ。それが、魔狩りの剣の信念なんだ」
「そりゃまた、魔物になんか恨みでもあるのかね」
魔物は悪、それを狩る自分達は正義だというのだろうか何とも極端なはなしである
「うん、そういう人が集まってるのは事実だよ。ナンも子供の頃に目の前で、両親を殺されてるから」
「なるほどね、そりゃ、魔物が憎くもなるわな」
目の前で両親を殺された。それは魔物を恨むだけの憎しみを募らせるには十分な理由でそんなことが世界のいたる所で起こっているのだろう。
「なんかかなしいな」
「そうですね。大事な人を目の前で・・・本当に悲しいです」
「あ、うん・・・・・・」
「なんだよ、言いたいことがあるんなら言っちまえよ」
ユーリは歯切れの悪い言い方をしたルルに違和感を感じルルはもっと別な何かを言いたかったのではないかとルルに言いたいことを言うように促す。
「たしかにさ、まものは、ひとにとってきょういだけどさ・・・ひとをおそわない、おとなしいまものも、いるかもせれねぇだろ・・・」
ルルは言葉を区切ると真っ直ぐにユーリ達を見つめて口を開く
「なのに・・・まものだからってりゆうで・・・すべてのまものがあくっておもわれるなんて・・・かなしいじゃん・・・」
「嫌だな、ルル。魔物は人に害をなすから魔物なんだよ。無害な魔物なんて魔物じゃないよ。それに、魔物に感情があるわけでもないだろうしさぁ」
「・・・・・まものにだってこころはあるよ。ゆーりがとどめをささなかったりぶがろだってそうだっただろ?」
ちゃんとこっちのいとをくんでにげてくれた、あの時のリブガロの行動はその様に見えた。だが、あくまでもそのように見えただけで本当にリブガロがこっちの意図を汲んでくれたかはわからない。
「こんなにもせかいはひろくて、いろんなやつがいるんだから、もしかしたらともだちになれるまものもいるかもな」
ーーーーご・・・じん・・・さ・・・まーーーー
その時ルルの頭に何かが思い出されようとしたが何だったのかはわからない頭痛と共にもたらされた記憶の断片はとても大切で暖かい思い出だったのだろう・・・
その記憶の断片を惜しみながら、けれど思い出すのが怖くて振り払うように先を進む。
「ごねんな、なんかよけいなこといってじかんとらせたな、さっさといこうぜ」
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