薄桜鬼

□薄桜鬼(中編:風間)第一章
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第一章〜波乱の幕開け〜

沢山の落ち葉が風によって舞い踊っている。

今日も京は雲一つない秋晴れだ。

空気は乾き冷たくなってきたこの季節に、

一つの恋が突然降って来た。
風間:「千鶴俺と共に来い。」
乾いた空気を伝って彼の声が高く響いた。
千鶴:「何度言えば分るんですか?嫌といったら嫌です。」重いため息が出る。そして今日もどう逃げ出そうかと考えていると・・・・。
土方:「オイ、そこで何やってやがる。」
土方さんの声がした。
その声を聞いた私は
千鶴:「土方さん」つい嬉しくて笑顔になる。
それを見た風間は少し苛立ちながら答えた。
風間:「ハッ、誰かと思えば野良犬か!!何しに来た?」
土方:「何しにきたとは失礼だな、分ってんだろ西の頭領さよぉ〜」と舌打ちと共に返した。
風間:「フンッ、我妻を貴様に渡すわけがなかろう。」
土方:「ああ、簡単に千鶴をあげてやろうとは思ってないさ。」と答えてから次の言葉を話す。
土方:「俺が千鶴の変わりに散歩でもなんでも付きあってやる。」と土方さんはここぞとばかりに答えた。
それを聞いた私は耳を疑った。
そして千景さんはというと・・・・
風間:「・・・・・・。」唖然としている。
あんな表情をした千景さんを見たのは初めてだ。
土方:「何している、行くぞ風間。」千景さんを引きずる。
千鶴:(千景さんが離れて行くのは良いけれど・・・。)
反射的にヤバイと感じた私は思わぬ行動に出た
千鶴:「だっ・・・駄目!!じゃなくて・・・駄目ですよぉ〜土方さん。えっとおっお仕事貯まっているのに。」ものすごく焦った表情。
土方:「もう終わらせている。」即答
それを聞いた私は千景さんの表情を伺いながら静かに焦る。
千鶴:(どうしようこれはまずい。)目の前に映る姿に焦った私は自分でも思ってみなかった言葉を出していた。
千鶴:「ずっずるいです。私を町に連れて行くという約束だったじゃないですかぁ〜それなのに、土方さんのところに行くんですか?千景さんは約束を破る方なんですね。私との約束より土方さんを選ぶなんて、ひどいです。」汗
土方:「何言ってやがる」土方さんの声を遮るようにして千景さんが答えた。
風間:「そうだな。お前と約束していたな、フンッ我妻との約束を破るわけがなかろう。」
満足といわんばかりに答え、私の方に近づいてくる。
土方:「おいっ」
風間:「さっ行くぞ千鶴」と千景さんはまるで土方さんの事が眼中にないように、すばやい行動で無理矢理私の手を握り歩き出した。
千鶴:「あっ」と後についていく。
土方:「おいっ千鶴お前・・・」
髪に手をやりグシャッとして、手を離してから
土方:「ちっ逃げやがって」とつぶやきながら急いで屯所に戻っていった。

ー第二章へ続くー
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