薄桜鬼
□大好きなあの人へ
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もうすぐあなたと別れた季節がやってくる。
ーーーーーーー家の中で本を読んでいると外からふと漂って来る甘い香り。
それは庭に植えてある桜の香りだ。
私は襖を開けて、桜の花びらが舞っていくのをただボーっと見つめる。
千鶴:「・・・・綺麗」ついうっとりして眺めてしまう。
カタン、カタン
雪村:「母様?」
私の名前を呼びながら此方へ歩いてくる、私の可愛い息子。
千鶴:「んっ?どうしたの雪村。」
雪村:「母様が悲しい顔をなさっていたので、何かあったのではと思いまして・・・。」
心配そうに私を見る。
千鶴:「大丈夫よ!心配してくれたありがとう。」
私は雪村を抱きしめて優しい子と頭を撫でてあげる。
すると急に思いついたのか雪村は喋りだす。
雪村:「あのぉ母様、父様は桜が好きって言ってましたよね?」
千鶴:「ええ。」私はその言葉を聴いて無
性に懐かしくなった。