02/27の日記

19:44
甘めな小ネタに挑戦してみたんですが
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果たして甘くできたのか?
疑問。
しかも、微妙にえちぃ感じになったような気がするのは何故だろう…。
そんな描写は殆どないはず、なんですがね。

時間軸としては、お付き合いしかけ→正式にお付き合いの間を想定してます。
つくづく、「しかけた」って何?
久保先生、もう少し情報開示してくれませんかね……。

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いのうえ…と、少し掠れた声が、私の名を呼んだ。
私はただ黙って顔を上げ、静かに目を閉じる。

こつり…と、音にもならない音を立てて重なるのは、互いの額。
わずか数センチ四方の接地面から伝わる体温が、やがて溶け合い一つになって、身体の中を巡り始める。
心がふわり…と、軽くなる。

抱きしめ合うでも、なく。
手すら、触れ合わせることもなく。
私たちは、ただ立ち尽くす。
額だけを、そっと重ねながら……。
まるで何かの儀式のように、私たちは時折、こんなふうに互いの体温を共有する。

ほんの僅かでも顔の角度を変えれば、容易に唇は重なるだろう。
でも彼は、決してそれをしない。
私も、また……。

は、と。
ほんの少し辛そうに吐き出された息が、私の鼻の頭を掠めた。
遠ざかっていく温もりにゆっくり瞼を持ち上げれば、切なげな瞳が私を見下ろす。

「——ごめんな」

ここで彼が私に謝ってしまうのも、いつものこと。
私は首を横に振り、出来うる限りの優しさと信頼を込めて、微笑みを返す。

「大丈夫、だよ」

彼の口元に、漸く仄かな笑みが浮かぶ。
私はより一層、深い微笑みを彼に返す。
持ち上がった彼の手が、くしゃり…と私の頭をひと撫でし、離れていく。
またな——という、言葉と共に。

「気をつけて」

去りかけた背中が、私を振り返る。
街灯の影になって表情はよく見えないけれど、纏う空気の柔らかさに、微笑んでいるであろうことを確信した。

「またな!」

耳に届く、力強い彼の声。
そのひと言に、幾重もの想いと意味が込められていることを、私はちゃんと知っている。
だから——。

「またね!」

私もまた、とびきりの笑顔と共に、大きく手を振り返すのだ。
幾重もの想い、と。
いつか、そのとき≠ヨの、祈りを込めて……。














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何か落ち込むようなことがあったときなどに、こんなふうに一護さんが織姫さんに甘えてたら良いな、なんて願望を詰めてみたんですが、どうかな。
両想いと分かっていて、一度はじめかけたお付き合いをストップして…てな状況は、なかなかにキツそうなので。

ただ、大人っぽさを目指したら、大人っぽくなり過ぎた感。
2人のイメージからは外れてしまったかな?と、反省。
さじ加減、難しいですね。
カテゴリ: 小話

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